故郷を離れた双葉町の今は

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映画上映や意見交換を通して福島の未来を考えようという「image Fukushima」の第8弾は1月26日、福島市のフォーラム福島で開かれた。郡山市出身の映画評論家三浦哲哉さんが中心となって実行委員会を立ち上げ、全国各地で開いている。今回の上映作品は、原発事故後の双葉町を追ったドキュメント『フタバから遠く離れて』。実行委会長の三浦哲哉さんにお話を聞いた。

「福島の人には納得できる映画ではないかと思う。さまざな偏見や差別がある中、それから解放してくれる力が映画にはあるに違いない。優れた映画ならなおさら、その力は強いだろう。『フタバから遠く離れて』はまさに望んでいた1本だった。この映画は福島の縮図だろうと思う」と言う。

意見の違いが人の分断、地域の分断に発展した経緯が見える。そもそもの原因は原発事故による放射能問題、低線量被ばくの問題だろう。町長は絶対的な揺るぎない信念のもとで町民を牽引し、県のみならず国と反目してしまった。孤立状態の中、議会を解散し、そして自らの辞任・・・。行き場のない町の現状は言葉では言い尽くせない。映画は現状を裁かず、まとめることもなく淡々と記録していく。

"見所は人"と言う三浦さん。双葉の感情をそのままに撮ったドキュメント。福島の現状について、「風評は一部の言動です。多くの人は関心を持って、助けるのが当たり前と思っているし、原発問題に関しては"明日は我が身"です」と語った。

埼玉県加須市の旧騎西高を中心に避難している役場や町民。間もなく3年目を迎えようとしている現在は住民も150人弱に減少した。町議選の投票日は2月3日。さらに同28日は町長選が告示され3月10日に投票ー。次々と起きる激変に町民はとまどいもあろうが、新しい舵取りとともに前向きに取り組んでほしいと期待したい。

レポート;小野 清隆|情報レンジャー@福島