【脳科学の達人】小林 克典【第38回日本神経科学大会 市民公開講座】

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第38回日本神経科学大会市民公開講座「脳科学の達人」
http://www.neuroscience2015.jnss.org/open_lecture.html

【要旨】実験してみたら全く予想もしなかった結果に!そんなことが科学研究を行っていると時々あります。今回ご紹介する研究もその一つです。「シナプス」と呼ばれる神経細胞間の情報伝達の部位の研究を行ってきた自分が、ある時、心の病気やその治療薬を研究してみようと思い立つ。しかし、これまで自分が研究してきたのはマウスの脳のシナプス。いったい、どのような方法で研究したらよいだろうか?まずは、病気の治療薬によってマウスの脳のシナプスにどのような変化が起きるか見てみよう。このような、ほとんど仮説もない状態でスタートした研究から、抗うつ薬が脳神経細胞を若返らせるという予想外の発見が生まれました。そして、ここから新たな疑問が生まれます。なぜ神経細胞が若返ると、うつ病が治るのだろうか?抗うつ薬以外にも神経細胞を若返らせるものはあるのだろうか?そもそも、神経細胞が若返るって良いことなのだろうか?それとも悪いことなのだろうか?

【演者プロフィール】東京大学理科II類に入学したが、その後に文学部心理学科に進学し、さらに大学院博士課程から医学部に移る。理系と文系の間を行ったり来たりしつつ、神経生理学教室で博士の学位を取得する。UCバークレーでのポスドクを経て日本医科大学薬理学教室の所属となり、2013年より現職。子供の頃の夢はミュージシャンになること。その夢が未だに捨てきれず、、、と言うわけでもないがバンド活動を続けており、年に数回はLIVEを行う。

【企画】日本神経科学学会 神経科学教育委員会(宮川剛, 御園生裕明, 松元健二, 富田泰輔, 矢尾育子, 豊田淳, 小清水久嗣)
【主催】日本神経科学学会
【共催】文部科学省/新学術領域研究 包括型脳科学研究推進支援ネットワーク
【助成】科学研究費(研究成果公開促進費)助成事業 *この事業はJSPS科研費15HP0034の助成を受けたものです。
【協賛】理化学研究所 脳科学総合研究センター 神経情報基盤センター, カクタス・コミュニケーションズ, 宮崎 敦子(理化学研究所, 井出 音 研究所)
【音楽】一色このみ

*演者・関係者の所属などの情報は企画開催時のものです。