アメリカで加速「水素シフト」 米政府が5億ドル支援の巨大事業に日本から三菱重工が参画【SDGs】|TBS NEWS DIG

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アメリカでは、政府が巨額の補助金を出して、環境に優しい水素の利用拡大を推し進めていて、日本企業も役割を果たしています。アメリカで進む「水素シフト」の最前線です。

アメリカ中西部・ネブラスカ州。トウモロコシ畑の広がる地域に最先端の水素製造施設があります。

モノリス ロバート・ハンソンCEO
「特別な材料でできた装置で、天然ガスを水素と固体炭素に分解しています」

こう話すのは、水素ベンチャー企業「モノリス」のハンソンCEOです。この施設では、天然ガスを分解して水素を製造し、利用価値の高い固体炭素「カーボンブラック」を取り出します。水素の製造過程で二酸化炭素を出さない画期的な技術です。

モノリス ロバート・ハンソンCEO
「カーボンブラックは商品になり、炭素は大気中に放出されません」

最先端の技術に日本の三菱重工など世界中から出資が殺到。アメリカ政府は10億ドルの融資保証を決めました。今、世界の水素ビジネスの主戦場はアメリカなのです。

アメリカ バイデン大統領
「(水素燃料は)トラックや鉄道・飛行機などの輸送システムも変えるでしょう」

次世代のクリーンエネルギーの「本命」ともいわれる水素。バイデン政権は、水素の普及など気候変動対策におよそ55兆円もの予算を充てて世界をリードしようとしています。

これに深く関わったエネルギー政策の重鎮議員と、水素ビジネスに力を入れる日本の大企業「三菱重工」の宮永会長の面会現場にカメラが入りました。

三菱重工 宮永俊一 会長
「アメリカ政府の支援は本当に大きな変化を起こしています」
アメリカ 民主党 ジョー・マンチン上院議員
「私たちは実証されているのに十分に使われていない技術に注目しました」

日本から会長自らアメリカ入りし、意見交換に望む力の入れようです。

三菱重工 宮永俊一 会長
「(アメリカは)いちはやく商業化し、実用化できる機会に恵まれている。その競争というものが、さらに私たちの技術を磨いていくもとにもなる」

雄大な風景で知られる西部・ユタ州。ここに三菱重工が参画している水素プロジェクトの現場があります。

三菱重工は水素を使うガスタービンの開発など技術力でリードしていて、アメリカにチャンスがあるとみて、ビジネスを広げています。

記者
「こちらでは、世界最大規模の水素の貯蔵施設を作っています。私が立っている足もと、この地下に巨大な空洞を作り、水素を貯蔵していく計画です」

三菱パワーアメリカ ビル・ニューサム社長
「エンパイアステートビルディングの高さと同じくらいまで空洞を掘り進めました」

アメリカ政府がおよそ5億ドルを支援。岩塩の地層に巨大な空洞を作り、水素を貯めていくという巨大事業です。

地上にタンクを作るより大幅にコストを抑えることができ、およそ7万世帯の1年分の電力消費を賄える量を貯蔵します。

さらに、三菱重工は水素など脱炭素の最新技術を取り入れようと、アメリカのベンチャー企業10社に出資しています。

三菱重工 境亮祐さん
「アメリカから日本へ、そして日本からアジアへと脱炭素をつないでいければと考えています」

官民を挙げて、「水素大国」に猛スピードで進むアメリカ。日本は企業の技術ではリードしていますが、水素の利用拡大に向けては政府の一段踏み込んだ支援も求められています。

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