武装勢力との衝突続き ミャンマーで「徴兵制」…実施前に国外に逃れる若者急増【ワイド！スクランブル】(2024年3月28日)
軍が実権を握るミャンマーで27日、国軍記念日の式典が開かれ、軍事パレードが行われた。そんなミャンマーでは来月から実施される徴兵制を前に、国外に逃れる若者が急増しているという。
■「少数民族武装勢力」と「PDF」が連携 一斉に攻撃を開始
ミャンマーの「国軍記念日」にあたる27日、首都ネピドーで大規模な軍事パレードが行われた。
パレードには軍事政権のトップ・ミンアウンフライン総司令官が出席し、国際社会に対して抵抗勢力へ支援をしないよう訴えた。
女性兵士の姿も多くみられるなか、今回のパレードでは、近年見られた戦車やミサイルは確認されなかった。
国軍によるクーデターから3年。ミャンマーでは国軍と少数民族武装勢力との戦闘が激しさを増している。
国軍に抵抗する武装組織「PDF」＝国民防衛隊のメンバーによると、戦況はPDFに有利なものとなっているという。
PDF（国民防衛隊）メンバー
「ミャンマー各地で戦闘が起こっており、激しい戦場も多くあります。彼ら（国軍）は、すでに力の半分を失い、あるデータによれば支配していた地域の50％を失っているといいます」
去年10月、少数民族武装勢力とPDFが連携し、一斉に攻撃を開始。100を超える国軍の拠点を攻略したという。
■ミャンマー国軍が突如「徴兵制」を発表
長引く戦闘などの影響で、国軍は多くの兵士を失い投降も相次ぐなど、深刻な兵員不足に陥っている。
そこで国軍がとった対策が…。
ミャンマー国軍
「すべての国民は兵役に就かなければならない」
ミャンマー国軍は先月10日、徴兵制を開始することを突如発表したのだ。対象は18歳以上の国民で役割によって2年から3年の兵役がかされ、緊急事態には最長で5年まで延長されるという。
兵役を拒否した場合には、3年以下の禁錮や罰金が科せられる。
徴兵の開始は4月からで、毎月5000人、年間6万人を徴兵する方針を示している。
■徴兵制から逃れるため…若者が国外脱出
この徴兵制の開始が発表されて以降、加速しているのが、若者らの国外脱出だ。
先月19日、ミャンマー中部のパスポート発給事務所では殺到した市民らで混乱が生じ、女性2人が圧死する事故が起きた。
一方で、正式な手続きを踏まず隣国タイへ密入国し、拘束されるケースも相次いでいる。
タイ警察が撮影した映像では、山の中で拘束され、怯えるミャンマー人の姿が映っていた。
タイ警察
「なぜ（タイへ）逃げてきた？」
拘束されたミャンマー人
「軍に入りたくないからです」
問い詰められた若者は、徴兵を逃れるためタイへ密入国したと口にしていた。
先月には、トラックの積み荷を確認した検問中のタイ当局が果物のかごに隠れていたミャンマー人を発見。密入国をしたとして、若い男女8人が逮捕された。
■タイに逃れた人「軍には秩序や手加減などない」
無事タイに逃げることができた男性は、ミャンマーに残して来た家族のことで大きな不安を抱えていた。
タイに逃れたミャンマー人
「独裁軍に対する不満や怒りを挙げればきりがありません、軍には、秩序や手加減などないですし、残してきた人を思うと心配と不安でいっぱいです。私が国にいないことを理由に家族に危害が加えられる可能性があるのです」
男性は時折、言葉を詰まらせながらも国のためになればと、話をしてくれた。
現在のタイでの生活ぶりを尋ねると、次のように話した。
タイに逃れたミャンマー人
「何とか生活できるぐらいの収入が得られる仕事をしています。ビザの問題もあり、できる仕事も最下層の仕事です。いつになったら帰ることができるのか見当もつきません」
■「PDF」に加入を希望する若者が急増
国軍が徴兵制を敷くことで、戦況に大きな変化が起こっているようだ。
PDFは2021年に国軍に対抗する民主派勢力「NUG」＝国民統一政府が市民を守る組織として結成を発表した。
ただ、ミャンマーの複数のメディアによると、全体像は詳しく分かっておらず、少人数の武装組織も次々とPDFを名乗る形で勢力を拡大しているという。
NUGの関係者は番組の取材に「PDFには少なくとも13万人が所属し国軍と戦っている」と話してる。
そして、国軍が徴兵制を発表して以降、PDFに加入を希望する若者が急増しているという。PDFのメンバーが取材に実情を語った。
PDF（国民防衛隊）のメンバー
「軍が徴兵制を発表してから50～60人の友人から連絡がありました。あるデータによれば徴兵制発表後にミャンマー全土でおよそ2000人の若者がPDFに入隊しました。発表していないだけで加わっている人はもっといます。志願する理由は、国軍に入りたくないことと軍事政権に反撃したいという思いからです」
こうした状況に、PDFは国軍への勝利を確信しているという。
PDF（国民防衛隊）のメンバー
「結成して3年しか経っていませんが、私たちはすでに軍を脅かす存在になっています。いつになるか分かりませんが必ず勝つでしょう」
（「大下容子ワイド！スクランブル」2024年3月28日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp
■「少数民族武装勢力」と「PDF」が連携 一斉に攻撃を開始
ミャンマーの「国軍記念日」にあたる27日、首都ネピドーで大規模な軍事パレードが行われた。
パレードには軍事政権のトップ・ミンアウンフライン総司令官が出席し、国際社会に対して抵抗勢力へ支援をしないよう訴えた。
女性兵士の姿も多くみられるなか、今回のパレードでは、近年見られた戦車やミサイルは確認されなかった。
国軍によるクーデターから3年。ミャンマーでは国軍と少数民族武装勢力との戦闘が激しさを増している。
国軍に抵抗する武装組織「PDF」＝国民防衛隊のメンバーによると、戦況はPDFに有利なものとなっているという。
PDF（国民防衛隊）メンバー
「ミャンマー各地で戦闘が起こっており、激しい戦場も多くあります。彼ら（国軍）は、すでに力の半分を失い、あるデータによれば支配していた地域の50％を失っているといいます」
去年10月、少数民族武装勢力とPDFが連携し、一斉に攻撃を開始。100を超える国軍の拠点を攻略したという。
■ミャンマー国軍が突如「徴兵制」を発表
長引く戦闘などの影響で、国軍は多くの兵士を失い投降も相次ぐなど、深刻な兵員不足に陥っている。
そこで国軍がとった対策が…。
ミャンマー国軍
「すべての国民は兵役に就かなければならない」
ミャンマー国軍は先月10日、徴兵制を開始することを突如発表したのだ。対象は18歳以上の国民で役割によって2年から3年の兵役がかされ、緊急事態には最長で5年まで延長されるという。
兵役を拒否した場合には、3年以下の禁錮や罰金が科せられる。
徴兵の開始は4月からで、毎月5000人、年間6万人を徴兵する方針を示している。
■徴兵制から逃れるため…若者が国外脱出
この徴兵制の開始が発表されて以降、加速しているのが、若者らの国外脱出だ。
先月19日、ミャンマー中部のパスポート発給事務所では殺到した市民らで混乱が生じ、女性2人が圧死する事故が起きた。
一方で、正式な手続きを踏まず隣国タイへ密入国し、拘束されるケースも相次いでいる。
タイ警察が撮影した映像では、山の中で拘束され、怯えるミャンマー人の姿が映っていた。
タイ警察
「なぜ（タイへ）逃げてきた？」
拘束されたミャンマー人
「軍に入りたくないからです」
問い詰められた若者は、徴兵を逃れるためタイへ密入国したと口にしていた。
先月には、トラックの積み荷を確認した検問中のタイ当局が果物のかごに隠れていたミャンマー人を発見。密入国をしたとして、若い男女8人が逮捕された。
■タイに逃れた人「軍には秩序や手加減などない」
無事タイに逃げることができた男性は、ミャンマーに残して来た家族のことで大きな不安を抱えていた。
タイに逃れたミャンマー人
「独裁軍に対する不満や怒りを挙げればきりがありません、軍には、秩序や手加減などないですし、残してきた人を思うと心配と不安でいっぱいです。私が国にいないことを理由に家族に危害が加えられる可能性があるのです」
男性は時折、言葉を詰まらせながらも国のためになればと、話をしてくれた。
現在のタイでの生活ぶりを尋ねると、次のように話した。
タイに逃れたミャンマー人
「何とか生活できるぐらいの収入が得られる仕事をしています。ビザの問題もあり、できる仕事も最下層の仕事です。いつになったら帰ることができるのか見当もつきません」
■「PDF」に加入を希望する若者が急増
国軍が徴兵制を敷くことで、戦況に大きな変化が起こっているようだ。
PDFは2021年に国軍に対抗する民主派勢力「NUG」＝国民統一政府が市民を守る組織として結成を発表した。
ただ、ミャンマーの複数のメディアによると、全体像は詳しく分かっておらず、少人数の武装組織も次々とPDFを名乗る形で勢力を拡大しているという。
NUGの関係者は番組の取材に「PDFには少なくとも13万人が所属し国軍と戦っている」と話してる。
そして、国軍が徴兵制を発表して以降、PDFに加入を希望する若者が急増しているという。PDFのメンバーが取材に実情を語った。
PDF（国民防衛隊）のメンバー
「軍が徴兵制を発表してから50～60人の友人から連絡がありました。あるデータによれば徴兵制発表後にミャンマー全土でおよそ2000人の若者がPDFに入隊しました。発表していないだけで加わっている人はもっといます。志願する理由は、国軍に入りたくないことと軍事政権に反撃したいという思いからです」
こうした状況に、PDFは国軍への勝利を確信しているという。
PDF（国民防衛隊）のメンバー
「結成して3年しか経っていませんが、私たちはすでに軍を脅かす存在になっています。いつになるか分かりませんが必ず勝つでしょう」
（「大下容子ワイド！スクランブル」2024年3月28日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp
