水不足が深刻 降ってほしいのに…ダム貯水率低下 羽鳥ダムで水供給停止へ コメ農家の苦悩<福島県> (23/08/16 18:45)

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水が少なくなりところどころ中州が見えているのは、福島県天栄村の羽鳥ダム。雨不足から貯水率が低下し、8月18日から農業用水の供給を停止する。

福島テレビ・高野愛梨記者:「今私が立っている場所は、平年であれば水に浸かっているため入ることすらできない場所です。今の時期この石垣がむき出しになることはないといいます」

天栄村の羽鳥ダム。須賀川市や鏡石町など5市町村に農業用水を供給しているが、貯水率は8月15日の時点で17.5%と平年の4割ほどに留まっている。

矢吹原土地改良区の佐藤幸一郎副理事長は「雪解け水が供給源として有効だったんですが、最近暖冬化で根雪っていうのがほとんどなくなってしまって」と話す。貯水率の低下から通常通りの農業用水を供給できず、羽鳥ダムでは、18日から供給を停止することになった。

農業用水の供給停止は周辺の農家にとっても大きな不安を生んでいる。
鏡石町のコメ農家・井上昌司さんは「ひび割れが深く入ってるんで、そこから水が地下に浸透しちゃうということですね。(水かさは)あと2センチくらいは欲しいですね」と話す。井上さんの田んぼでは水が不足し、ひび割れが発生。8月いっぱいはコメの生育にも十分な水が必要なため、羽鳥ダムの供給停止は死活問題だ。

鏡石町のコメ農家・井上昌司さんは「このまま水がなくちゃ、どうしてもそういう(高温)障害とか出て、登熟(肥大)が進まないから減収は免れないってことですね」と窮状を訴える。
コメはしっかりと実るのか、記録的な暑さと雨不足が農家の頭を悩ませている。

<福島県内のダムで貯水率低下>
羽鳥ダム以外でも農業用水を供給するダムの貯水率の低下が顕著だ。
新地町の鴻の巣ダムは15.4%、会津若松市の吉ヶ平ダムでは22.5%となっていて、県内の平均貯水率は33.2%と須賀川市の藤沼ダムを除いて平年比を下回っている。
2023年は高温の影響で稲の成長が早まり、例年よりも水を多めに供給しているダムもあるという。福島県によると、現時点では羽鳥ダム以外に水の供給停止はしないということだ。