保津川下り事故から1年『最新の無線機とトランシーバーをすべての舟に』『大規模な救助訓練』再発防止を誓う運航組合「安全運航を徹底して守る」(2024年3月28日)

2024/03/28 に公開
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保津川下りの事故から3月28日で1年。二度と事故は起こさない、その取り組みを取材しました。

 3月28日午前、保津川下りの運航組合で営まれた法要。船頭の関雅有さん(当時40)と田中三郎さん(当時51)は去年3月28日、転覆事故の犠牲者となりました。

 事故から1年。強い責任を感じながら手を合わせる男性がいました。運航組合の代表理事・豊田知八さん。

 (保津川遊船企業組合 豊田知八代表理事)「(一報を聞いたときは)これは最悪の状態だなと。ある意味、覚悟みたいなものはその時に感じました。すべての責任を受け止めなければいけない覚悟ですね、私の立場としては。どんな状態であっても」

 亡くなった関さんの最期の姿をこう聞いたといいます。

 (豊田知八代表理事)「彼は乗客を救っていたんです。3人くらい救ったんじゃないかな。『一度岸にあがって、もう一度川に飛び込んだ』と乗客から聞きました。誇りに思いますよね。ただ帰ってきてほしかった」

 豊田さんによりますと、事故の原因は「空舵」という操船ミス。流れの激しい場所で舵の操作を誤り転覆したといいます。乗客19人もけがをしました。しかしその後、不十分な運航体制が明らかに。転覆した舟には無線機が設置されておらず、消防への通報は事故から30分以上も経過していました。

 (豊田知八代表理事)「すごい電話がかかってきますよね、ご批判の。『お前らなにやっとんや』とか『やめてまえ』とか。職員が泣きながら電話とるので僕らに代わってもらって」

 相次いだ批判の声。豊田さんは再発防止に動き出します。

 (豊田知八代表理事)「これが新しく最新になった無線機とトランシーバー。40隻の舟すべてに載せられるように用意しています」

 最新の無線機に加え、新たにトランシーバーも設置。これまで電波が届かなかった山間部でも現場とのやり取りができるようになりました。3月には消防などとの連携を強化しようと大規模な救助訓練も実施しました。

 【訓練の様子】
 (消防隊員)「救急隊、トリアージ入れて。緑は今かまへん、緑はかまへん。ラフトボートで救出した要救助者にみんな取り掛かって」

 最前線で訓練を見守り、新たな気づきも生まれたといいます。

 (豊田知八代表理事)「人が必要だなと思いましたね。1人助けるのにこれだけの人が必要なんだなというのが実感で。こういう訓練は有意義だと思っています」

 そして3月28日の法要。豊田さんはこう誓いました。

 (豊田知八代表理事)「私たちがやるべきことは安全運航をこれからも徹底して守っていくこと。その自覚と責任をしっかりと持つ」

 安全な保津川下りを取り戻す。400年以上の歴史がまた紡がれていきます。

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