思い込みが激しい人の特徴と付き合い方 #早稲田メンタルクリニック #精神科医 #益田裕介

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思い込みが激しい人の特徴と付き合い方

00:00 OP
00:55 どういう人が多い?
04:00 どうして抵抗するのか?
07:16 どう付き合うのか?
10:27 格差問題
14:08 どういうことができるのか

本日は「思い込みが激しい人の特徴と付き合い方」というテーマでお話しします。
4部構成でお話しします。

1つ目が、思い込みが激しい人はどういう特徴があるのという話をして、なぜこの人たちは思い込みを正そうとしないのかということもお話しします。
そして付き合い方を説明するとともに、最後は格差問題についてお話しします。

■どういう人が多い?

どういう人がそもそも多いんですか、ということですけど、人の特徴や心、性格というのは遺伝と環境によって決まります。

遺伝的なもの、もともと生まれ持ったものと、記憶と学習、今まで過ごしてきた体験や学習されたもの、過ごしてきた環境によって決まります。

例えば、立場が上とか、今まで自分の好き勝手できていた人というのは、わざわざ自分の意見を変える必要がないので思い込みが強くなってしまう。
多様な環境にいなかったというのは思い込みが強くなる原因です。

遺伝的な問題でいうと、柔軟性が高い人と低い人は遺伝的に違うというのがあります。
これらは国語力とかメタ認知とか、様々な能力に分解することができます。
主にどういう疾患が精神科では多いのかというと、発達障害(神経発達症)です。
特にASD、あとアルコール依存症やギャンブル依存症などの人たちは、やはり切り替えが苦手だったりします。

ハマりやすい人たちはそういう人が多いです。
もちろんハマってしまうのは普通のことなんだけれども、ハマったあとに抜け出せない人たちですね。
問題があるとわかっておきながらやめられない人たちは、やはりそういうところがあるなと思います。

あとは不安が強い人、社交不安障害の人たちは、やはり生まれ持ったものもあるし、うつ病とかそういうストレスが溜まった状態で脳が変性してしまって、柔軟性を欠いてしまうということもあるだろうな、と思います。
こういう人たちはよく臨床で見ます。

どういう人が多いのかというとこういう人たちが多いし、これに至る未満の人、グレーゾーンみたいな人たちは皆さんの身近にもいるのかもしれないなと思います。

■どうして抵抗するのか?

結局なぜ抵抗するのかということになると、なぜ妥協してくれないのかということにも似ています。

どうして抵抗するのかというと、億劫というのがあります。
億劫というのは相手を尊重しないんです。

認知を変えるのは大変です。
今まで自分はこうだと思っていたものを別のものに変えるのはすごく大変じゃないですか。
その大変さをするというのは、相手の立場を尊重しているからなんです。
相手を尊重したり、妥協をきちっとするということです。

自分はこうしたいけれども、妥協しなきゃダメじゃないですか。相手は相手でこうしたいという思いがあるから。
互いに尊重し合って妥協点を見つけなきゃいけないのに、それを億劫がったり嫌がったり、力でねじ伏せたり、そういうのがあります。

立場や多様性、そういうものの理解が難しかったり経験が足りないというのはあったりします。

ではなぜそうなっているのかというと、トラウマ的な問題もあるかもしれないし、精神医学的な問題があるのかもしれないということです。

今まで誰かからきちんと尊重されなかった、多様な場所で育たなかった、インクルーシブな教育環境や職場環境にいなかった、誰かが妥協してくれなかった。
兄弟げんかでもいつもお兄ちゃんが勝ったり、親子げんかでも全部親が勝って妥協のしあいがない。一方的に親が叱りつけちゃう、一方的にやっつけちゃう、そういうものが残っていくと、自分が一方的に叩ける立場になったらわざわざ変えなかったりします。
困ったときには拳と拳をぶつければいいんだみたいな形になって、妥協し合わないというか、そういうことになってしまいます。

親は100%正しかったりするんです。
子どもは経験がなくて、まだ子どもですから知識もないわけですし、知恵もないので親が勝っちゃうんです。
だけど100%勝ったらダメなわけです。

いくら相手が悪いからといってグウの音も出ないくらい叩きのめすと、やはり子どもは育ちにくくなるし自尊心が育まれません。
逃げる余地を与えるというか、相手の心の問題もありますからとても大事だと思います。

悪い親はそこで言い負かされそうになったら、今度はお金を出してくるんです。
「いや、育ててんの俺だぞ」「金を出してんのは誰だと思ってんだ、嫌だったら家から出てけ」「メシを食わせてんのは誰だと思ってるんだ」と言って、本当にパワーゲームをやってしまう。
それはトラウマになっちゃうよね、ということです。

■どう付き合うのか?

じゃあ、そういう人とどう付き合うのがいいのかということです。

上手く付き合えないと、ここら辺の人たちはやはり苦しくなってしまいます。
例えば発達障害の人の奥さんは、カサンドラ。
あとは子どもカサンドラ。発達障害の人の子どもたちは、親が意見を変えてくれない、共感してくれない、理解してくれない、一方的にやられてしまってうつっぽくなっちゃう。

アルコール依存症や境界性パーソナリティ障害だと、共依存と呼ばれる状態で思い込みが強い人とくっつく。
変えようとするんじゃなくて、自分からそっちになびいちゃって、相手にくっつけば変える必要がなくなるので共依存的に同化しちゃうということもあるだろうし、アダルトチルドレンやヤングケアラーの問題もあります。
上手く行かないとうつっぽくなってしまうというのはあります。

では、上手く付き合うとはどういうことかというと、「きちんと距離を取る」ということなんです。
こいつは思い込みが強いんだな、と思うことです。
何とかしようではなくて、一歩引いてあげる。

この人は思い込みが強くて、過去の経験からもうこれは変えにくいだろうな、ときちんと予測するということです。
今回こそは変えてやるとなると、山を動かすみたいなものです。動かない前提で距離を取って冷静にやる。

そして自分ができないんだったら、できないのはできないで諦めちゃうというのも正しいんです。
ゆっくり解きほぐす、年単位の時間をかけて解きほぐすことがとても重要だったりします。

あとは、僕らはロールモデルになってあげることが重要だろうなと僕はいつも思っています。
厳しいことを言えば、「相手が尊重してくれないからしないんだ」と言う人に対して、「尊重しなきゃダメだよ」と言うんです。

ニワトリが先か卵が先かみたいなことじゃなくて、「たとえ損でもやらなきゃダメだよ」と患者さんに言います。何より自分たちがやらなきゃいけないです。

患者さんを尊重する、相手を尊重する、患者さんの言ってる意見に対して医学的には100%正しいけれども、薬は絶対飲めと言うのだけれども、やはり信頼関係が大事だからある程度妥協してあげる。

相手の立場を理解する、多様性を理解する、それは表面上とか教科書的な知識じゃなくて、もうちょっと深い水準で理解する、そしてロールモデルになる、相手が自分たちをきちんと理解し、真似したいなと思わせるようになることが大事です。

こういう経験がないんだよね。
あったかもしれないけど理解できなかったのかもしれないし、実際なかったのかもしれないです。

■格差問題

でもね、これは結構僕は思っているんですけど、格差の問題はすごく大きくなっているなと思います。
教育格差の問題が大きい、家庭格差の問題が大きいと思います。

同じ発達障害で、同じようなWAISの結果であっても、トラウマとか家族環境が悪かった人は治りが悪いです。
柔軟に考える力が育ちにくいというのがあります。

やっぱりこういう経験がないんだよね。
子どもの時からそういう対応をしてくれなかった、そういう大人が身近に今もいない、それで何だか益田が言ってることがわかるようなわからないような感じなんです。
難しいなと思います。

何が難しいかというと、多くの人にとってはそうは言っても親が与えてくれたものだったりするのが、与えてくれなかったり、たまたま与えてくれる環境になかったりしている。

だから本当に、精神科というのは不幸の連続というんですけれど、人生のどこかのタイミングでは尊重してくれる相手と出会えるわけです。

母親はダメだった、でも父親は尊重してくれた、母も父も尊重してくれなかったけど、おじいちゃんは尊重してくれた、おばあちゃんは尊重してくれた。
そうは言っても友達は尊重してくれた、学校の先生は尊重してくれた、友達も学校の先生もダメだったけれども大学生になって恋人ができたら尊重してくれた。
それはダメだったけれども次は仕事を始めたら、お客さんや職場の上司が認めてくれた。
誰も認めてくれなかったけれど、その認めてくれない思いを吐き出したら、YouTuberになったら視聴者が認めてくれたとか。

この連続の中でどこか認めてくれるんです。
本当にサイコロの目の6が連続するみたいで、お母さんもダメでした、お父さんもダメでした、兄弟も友達も学校の先生も職場も何も、得意なことも一個も見つからないし、恋人もダメでした、みたいなことになるとやはり苦しいし、上手くいかないです。

でもそんなに6が連続で出ることがないんじゃないかとみんな言うんです。
確かに6が連続で出ることは少ない、こんなに連続で全部ダメということないでしょう、と言うんです。
あるんです。

宝くじみたいなもので、宝くじなんて当たらないでしょと言ってるのと一緒です。
でも当たる人はどこかにいるんだよね。
極めて人口の中では少ないんですよ、100人に1人、2人とか。
こういう状況になる人は本当に少ないんです。

でも1万人いたら何人かは必ずいるんです。
その何人かという人たちが精神科へ来ていたりします。

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