余ったワクチンは「全部捨てなきゃいけない」 節目を迎えた新型コロナワクチン政策 公費負担の接種は終了【大石が深掘り解説】

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節目を迎えた新型コロナワクチン政策。4月から有料化され、公費負担の接種は終了しました。残されているのが「副反応」の問題。医師たちによる新たな発見もありました。

3月30日、名古屋市中村区のクリニックで行われていた、新型コロナワクチンの接種。

【名古屋市中村区 細川外科クリニック 3月30日】
(接種者)
「思い立って来た。(無料のワクチン接種が)今月までだっていうから」

3月いっぱいで国によるワクチンの全額負担は終わるため、この日は無料で接種を受けられる最後の日。4人が駆け込みで受けに来ました。


ワクチン専用の冷凍庫には…
(細川外科クリニック 細川慶二郎 副院長)
「数百人分(残っている)。全部捨てなきゃいけない」

厚生労働省は残っているワクチンを全て廃棄するよう、各医療機関に指示しています。接種開始から3年余りがたち、大きな節目を迎えたワクチン接種。

これまでに、国内で実に4億3千万回の接種が行われました。
そして今も積み残されているのが…「副反応」の問題です。


■ワクチン接種後…“ギラン・バレー症候群”を発症した女性

【名古屋市 1月】
(大石アンカーマン)
「階段、段差は大丈夫なんですか?」

(曽我奈緒美さん)
「段差は手すりがないとだめですね。バスの乗り降りも腕の力でする」

名古屋市内に住む女性。
ワクチン接種後、手足の力が入りづらくなる難病「ギラン・バレー症候群」を発症。

免疫機能が暴走して自分自身を攻撃する「自己免疫疾患」です。

(曽我奈緒美さん)
「この道は割と使っているのでいいですが、ちょっとの形状の変化でやられるので」

症状は今も改善していませんが、医師からは「ワクチン接種の副反応」と言われています。


この日、愛知県庁に集まったのは患者会のメンバー。

(大石アンカーマン)
「きょうはこの県庁でどんなことをする?」

(患者の会 神谷さん)
「私たちが困っていることはたくさんあるんですが、そのうち救済制度のことなど、困っていることについて知っていただく プラス 私たちの要望をちゃんと届けたいとまいりました」

その中には、ワクチン接種後に下半身不随になった名古屋の男性も。
自分の免疫が神経を傷つける「急性散在性脳脊髄炎」。
ワクチンの副反応とされるこの病気も、「自己免疫疾患」です。


■患者は「ひとりでも多くの人を救ってほしい」

(接種後ギラン・バレー症候群に 曽我奈緒美さん)
「2年と半年たつんですが、それでもまだ普通の生活とは言えない状況。私以外もたくさんの方が苦しんでいることを知ったので、ひとりでも多くの人を救ってほしい」

(接種後下半身不随に 50代男性)
「医者からはモデルナワクチンが引き金になってこういう体になったと言われた。救済制度が認められて費用が戻ってきても、自分の体は元に戻らないので、そういったことも踏まえて、真剣にとらえていただきたい」

患者の会は、さらなる支援や副反応の実態調査を訴えました。

(愛知県 ワクチン接種体制整備室 伊藤亮一室長)
「数としては少ないと聞いているが、実際に聞くと大変なご苦労をされているということが分かってきている。この機会にできることはないか考えたいと思っている」

副反応疑いの件数は、製薬メーカーから国への報告分だけで3万6000件あまり。死亡事例は2000件を超えています。


■「ワクチン接種後の体調不良患者にビタミンD投与で症状が改善」

こうした中、ワクチン後遺症を研究する医師の会が、2月末「ある発表」を…

【厚生労働省での記者会見 2月28日】
(京都大学 福島雅典 名誉教授)
「ビタミンDの血中濃度を測ると驚くべきことに全員低くなっている。これが特殊な現象ではないことも、研究を進めるうちにはっきりした」

ワクチン接種後の体調不良を訴える患者161人を調べたところ、一部で血液中のビタミンDが欠乏状態になっていて、それを投与することで症状が改善したのです。
海外ではワクチン後遺症やコロナ後遺症でビタミンDの欠乏を補うと、症状が軽減されるケースが報告され、アメリカCDCのガイドラインでも、コロナ後遺症ではビタミンDの測定をするよう定められていて、医師の会では国に対して速やかな検証を求めています。

(京都大学 福島雅典 名誉教授)
「そこまで思い至らなかった。そこは私自身反省するところ。相当患者さんは楽になると思う」


■余ったワクチンは…「厚労省からのお達し。捨てるしかない」

【名古屋市中村区 細川外科クリニック 4月2日】
ワクチン接種を行っていた中村区のクリニック。この日うかがうと、余っていたワクチンを廃棄するところでした。

(細川外科クリニック 細川慶二郎 副院長)
「期限は2024年11月。捨てるしかないので、捨てます。医療廃棄物です」

(大石アンカーマン)
「こういう医療機関がたくさんあるってことですよね」

(細川外科クリニック 細川慶二郎 副院長)
「余った分は捨ててくださいと。厚労省からのお達し。捨てるしかない」


国の政策にのっとり、希望者にワクチンを打ち続けたこのクリニックでは、これまでに接種回数は実に4万回に上ると言います。
しかし同時に、接種後の副反応とみられる症状の患者を多く診ている現実も。

(大石アンカーマン)
「今後、新型コロナワクチンは接種すべきかどうか、先生はどう思われますか」

(細川外科クリニック 細川慶二郎 副院長)
「医学的にも意見が分かれるところですが、僕自身は重症化リスクがある人は打った方がいいのではと思うが、幅広く皆さんに打ちましょうというものでもなくなってくるのは事実」

(細川外科クリニック 細川慶二郎 副院長)
「コロナワクチンに対する副反応で悩んでいる方はいるので、そういった数を現場では無視できない数になっている。統計学的には何百万人に1人という数字かもしれないが、実際に目の前で『まだ痛いです』『まだ苦しいです』と言っている人に対して、この人には本当にワクチンが必要だったのかという疑問は抱き続けている現状です」


こうした中…

【3月19日】
(武見敬三 厚生労働大臣)
「厚生労働大臣としては、新型コロナワクチン接種後の健康被害で、お亡くなりになった方々には、お悔やみを申し上げたい。健康被害を受けた方々にはお見舞いを申し上げたい」

3月に突如、いわゆるワクチン後遺症や接種後に亡くなった人の遺族に対しお悔やみの言葉を述べた大臣。これはワクチン後遺症への取り組みを本格化させる兆しなのか。
それでも、ワクチン接種は「有料」で再開される見通しです。

VTR部分:
2024年4月4日放送 CBCテレビ「チャント!『大石が聞く』」より

詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1110489