THE FLYING PENGUINS

むかしむかしあるところに、空飛ぶことを夢見る一匹のペンギンがいました。
ペンギンは、大空を飛びたくて飛びたくてしかたありません。
けれども、仲間のペンギンは馬鹿にします。
「ぼくたちはペンギンだよ。空を飛べるわけがないじゃないか」。

そこでペンギンは空の飛び方を見つける旅にでました。
「もしもし、おじいさん、空を飛ぶ方法を教えてください」。
「君はペンギンだろ？無理じゃよ、諦めなさい」。
「もしもし、おねえさん、空を飛ぶ方法を教えてください」。
「あなたペンギンでしょ？ペンギンは泳ぐもので、飛ぶものじゃないわ」。
途方に暮れるペンギンに、帽子を深く被った男が近付き、そっとつぶやきました。
「東の方に、空飛ぶペンギンたちが夜な夜な集まるバーがあるそうな」。

目を輝かせたペンギンは全速力で（ペンペン）東に向かい、ついにバーを見つけます。
お店の名前は「THE FLYING PENGUINS」。
お店の扉を開けるとびっくり。店内は目を輝かせたペンギンたちで溢れかえっています。

「あなたも空を飛びたいのね！わたしも飛ぶ方法を知りたくて、この店に辿り着いたの」。
「昨晩、飛ぶ方法を教えてくれるペンギンに会えたんだ！」
店内は、空を飛びたいペンギンと、空を飛べるようになったペンギンだらけ。
ここには、「空を飛べるわけがないじゃないか」と決めつけるペンギンはいません。

「やった、やったぞ！ぼくもいつの日か、必ず空を飛んでみせる！」
お店の奥にいた、ゼブラ柄のネクタイを締めたペンギンが大声で叫びます。
「なあみんな、いつの日か、みんなで一緒に空を飛ぼう！今日の出会いに、乾杯！」

空を飛んだペンギンと、空を飛びたいペンギンが夜な夜な集うバー。
THE FLYING PENGUINS。