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“究極”のダイヤモンド・パワー半導体 佐賀大などが作製に成功 実用化にメド
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2021.04.22 14:00
佐賀大学とアダマンド並木精密宝石の研究チームは、 人工ダイヤモンドを用いた次世代パワー半導体の作製に 成功したと発表しました。 パワー半導体は、電車や電気自動車、 スマートフォンの充電器などに搭載されている、 電力を制御するための半導体です。 ダイヤモンド半導体は、現在主流のシリコン製に比べ、 理論上、エネルギー損失が低く、高い電圧にも対応できるとして、 「究極のパワー半導体」と呼ばれていますが、 理論値よりも電流の値が極めて低いなどの課題がありました。 研究チームは、アダマンド並木が開発した、 世界最大となる直径1インチのダイヤモンドウェハをベースに、 佐賀大学が考案した、新たな原理で動作する半導体を作製。 これによってこれまでの課題を克服し、 世界最高となる、1平方cmあたり179MWの出力電力を達成した ということです。 これは、今回開発した直径1インチのダイヤモンド半導体1個半で、 一般家庭30万世帯が使う電力を制御するレベルだとしています。 研究チームは、電気自動車や6Gの携帯基地局などへの応用を視野に、 5年以内の実用化を目指すとしています。 佐賀大学 嘉数誠 教授「アメリカや中国が、すでにこの技術に非常に興味を持っていて、彼らもやろうとしている。研究スピードを加速して5年以内に実用化まで持っていかなければならない。」 ※引用元 ●論文: Applied Physics Express M. Kasu, et al. (2021) Fabrication of diamond modulation-doped FETs by NO2 delta doping in an Al2O3 gate layer https://doi.org/10.35848/1882-0786/abf445 ●プレスリリース:佐賀大学のHP 新動作原理によるダイヤモンド半導体パワーデバイスの作製に成功 https://www.saga-u.ac.jp/koho/press/2021042021534