格ゲースターがマッドキャッツブースに集結!

 2012年9月20日から開催されている東京ゲームショウ2012(一般公開は22日、23日)。マッドキャッツブースには、ウメハラ選手、ときど選手、マゴ選手の3人のプロで構成されたチームマッドキャッツ、『鉄拳』公式プレイヤーのユウ選手、格闘ゲーム世界大会“EVO”の『ソウルキャリバーV』部門で優勝を果たしたデコポン選手などの格闘ゲームスタープレイヤーが登場。来場者と対戦する組手や、スタープレイヤーどうしが対戦するエキシビジョンマッチなど、格闘ゲームファンにはたまらないイベントが目白押しとなった。ここでは、チームマッドキャッツによるエキシビジョンマッチの模様をリポートする。

ウメハラ、ときど、マゴ、格ゲースタープレイヤーによるエキシビジョンマッチがマッドキャッツブースで開催!【TGS2012】_03
ウメハラ、ときど、マゴ、格ゲースタープレイヤーによるエキシビジョンマッチがマッドキャッツブースで開催!【TGS2012】_02
マッドキャッツブースでは、エキシビジョンマッチの合間にスタープレイヤーによる組み手イベントが行われた。

チームマッドキャッツ最強は誰だ!? 

 22日14時15分より開催されたウメハラ選手による『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』(カプコン)のエキシビジョンマッチ。当日の発表と秘密にされていたウメハラ選手の対戦相手は、なんと、同じチームマッドキャッツのときど選手とマゴ選手。海外のトーナメントなどでチームを組んでともに戦うことはあっても、メンバーどうしが直接対決を行うことは少なく、ファンにとって貴重な試合となった。

ウメハラ、ときど、マゴ、格ゲースタープレイヤーによるエキシビジョンマッチがマッドキャッツブースで開催!【TGS2012】_05
チームマッドキャッツ
ときど選手(左)
ウメハラ選手(中央)
マゴ選手(右)

エキシビジョンマッチは、ウメハラ選手(リュウ)、ときど選手(ゴウキ)、マゴ選手(フェイロン)による三つ巴戦で行われた。2ラウンド先取制の試合を2試合先取で1勝となり、2勝した選手の優勝となる。果たして、チームマッドキャッツの最強選手は誰なのか? 多くのファンが見守る中で、まずはときど選手とマゴ選手の対戦がスタート。

精密機械のようなコマンド入力テクニックと、人間技とは思えない反応の速さを持つマゴ選手が操るフェイロンは、キャラクターの性能と相まってまさに要塞のよう。自分から攻め込んで切り崩すことは難しいと判断したのか、ときど選手は波動拳と垂直ジャンプ、斬空豪波動拳といったリスクを抑えた慎重な立ち回り。ときど選手は、じりじりと近寄ってくるマゴ選手の隙をついてダウンを奪い、“百鬼襲”という空中から急襲する必殺技を使った得意のラッシュで試合の主導権を握る。要所でマゴ選手が放った突進系の必殺技“烈空脚”を避けてコンボを叩き込むなど、読みがピタリと的中して1ラウンドも落とすことなく2試合先取してときど選手が勝利。

続いてウメハラ選手とときど選手の一戦。お互い飛び道具を持っていることもあり、試合は波動拳などの飛び道具の撃ち合いと、しゃがみ中キックやしゃがみ強キックを使った地上戦を中心とした試合展開に。タイムオーバーで勝負が決まるラウンドもあるほどの息詰まる試合の中でギャラリーを盛り上げたのは、やはりウメハラ選手だった。ときど選手が放ったしゃがみ強キックに対して、“セービングアタック”(打撃1発に耐えられる攻撃)からの反撃を試みる。これを確認したときど選手は、しゃがみ強キックをキャンセルしてウルトラコンボ“瞬獄殺”をくり出し、セービングアタックを潰しにかかる。瞬獄殺はコマンドが難しく、一般のプレイヤーでは咄嗟に出すことができないため、このときど選手の正確かつ迅速なコマンド入力にギャラリーが沸いた。誰もが瞬獄殺が決まったかと思われた瞬間、ウメハラ選手は前方ダッシュからの“EX昇龍拳”でときど選手を返り打ちに。このまさかの展開にギャラリーは大盛り上がり。と、文章で説明するとかなり長くなってしまったが、実際にはほんの2~3秒のできごと。このわずかな瞬間にこれだけの攻防を平然とやってしまうあたりは、さすがプロ。試合のほうは、マゴ選手戦と同じように百鬼襲からのラッシュをうまく決めたときど選手が2勝1敗で勝利し、エキシビジョンマッチで優勝を収めた。

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ウメハラ、ときど、マゴ、格ゲースタープレイヤーによるエキシビジョンマッチがマッドキャッツブースで開催!【TGS2012】_04

世界チャンピオンにときど選手が挑戦

 『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』に続いて行われた『ソウルキャリバーV』(バンダイナムコゲームス)のエキシビジョンマッチは、世界大会EVOの優勝者であるデコポン選手(ティラ)と、チームマッドキャッツのときど選手(ヴィオラ)という、世界王者対プロ選手の図式に。エキシビジョンマッチは、3ラウンド制の試合を3試合先取したほうの勝利。ステージは、最初の試合のみじゃんけんの勝者が選択し、以降の試合は敗者が選択できるというルールで行われた。

ソウルキャリバー5』では、“リングアウト”すると体力がいくら残っていても負けとなるため、ステージ選択も重要になる。第1試合のステージは、選択権を持つときど氏が狭いステージを選択。これはときど選手の使用するヴィオラというキャラクターが、相手をリングアウトさせる能力が高いためである。こちらのインタビューで、「ワンチャンスで相手を倒す」と語っていた通り、リングアウトを狙っているようだ。一方のデコポン選手が使用するティラは、威力の高い“グルーミーサイド”と、近距離戦が苦手な“ジョリーサイド”というふたつのサイドがあり、体力が4割以下になるなどの条件を満たすとサイドチェンジする特殊なキャラクターだ。リングアウトを警戒しつつ、グルーミーサイド時にいかに勝負をかけるのかが重要になりそう。

試合のほうは、強引に接近するときど選手と、それをうまくいなしていくデコポン選手という印象を受ける形に。ときど選手のくり出した技を寸前でかわし、そこから相手を浮かせて空中コンボに持っていく場面が何度かあり、デコポン選手の高い対応力が光っていた。しかし、ときど選手も負けておらず、相手の背後に回ってからの投げを連続で決めるなど、一進一退の攻防がくり広げられていた。デコポン選手が負けると広いステージを選択し、ときど選手が負けると狭いステージを選択するといった形で試合が進み、いかに相手の得意なステージで勝てるかという戦いになっていた。全試合フルセットまでもつれ込む名勝負に勝利したのは、要所で相手の攻撃を弾いて無防備状態にする“ガードインパクト”を決めたり、20ヒットを越えるコンボを決めるなど、勝負強さを発揮したときど選手。ときど選手は『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』に続いての勝利となった。

大盛況で終えたマッドキャッツブースだが、23日も鉄拳プロジェクトディレクターの原田氏(バンダイナムコゲームス)を招いてのトークショウや『鉄拳タッグトーナメント2』のエキシビジョンマッチなど、イベントが盛りだくさんなので、格闘ゲームファンはぜひブースに立ち寄ってみよう。