この文章は、昭和14年に刊行された「全日本国力総動員」の内容です。又、旧字や現代では使用しない漢字、旧仮名遣いなどは読みにくいために、現代様に改めました。
沖縄県
「常夏の都、那覇」
那覇市は沖縄県随一の都会で、沖縄島南部の西岸に位し、明治十四年、県庁の所在地となり大正十年市制を実施された。那覇港は本県唯一の開港場で、同港からは鹿児島、大阪、大連及び県内離党に通ずる航路が発達し、最近では同港の輸移出額7470万余円に及んでいる。
主要産業は工業物第一で値額334万円に達し、織物、陶器、漆器その他防止の製造盛んで、泡盛は県外に盛に移出している。人口6万208人で、油上宮、護国寺、崇天寺、孔子廟、ペリー上陸の地等、市の内外に名勝旧蹟が多い。
首里市は那覇市の約4キロの地、旧王城の街、史蹟の年である。首里城はじめ霊御殿、沖縄神社、国王だった尚侯爵の邸、孔子廟、守礼門、歓会門、琉球国時代の文化残る名称旧蹟が市内到る處にある。大正十年市制が布かれて現在人口1万9305人である。