給湯器ecoジョーズの中和器920エラー290エラーは丸洗いしてエラー解除すれば完全解決できる

2022/02/23 に公開
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中和器エラーで強酸性水?そんな事はありません。ドレン水はほとんど雨水と同程度の弱酸性です。中和器を取り外して実際の状態を見てみました。920エラーが出ていても中和器の寿命という感じはしません。丸洗いしたら、全く問題なくまだまだ使える感じです。取り外し方、洗浄の仕方、組み立て方を詳しく説明します。
この給湯器はノーリツ GT-C2052AWXでエコジョーズ20型で10年ほど使うと中和器寿命の920エラーが出ます。このエラーを放置すると930エラーとなり、給湯機能が停止するので下の動画のように自分でリモコンの操作をして、中和器データの消去もしました。
https://youtu.be/9modoCzUQmA
しかし、中和器に茶色い錆のような水垢のようなものが溜まっていたので洗浄した方が良いと思いました。これは錆のような色ですが錆ではなくて油煙というか煤のような炭化した物だと思います。中和器詰まりの290エラーは出ていませんでしたが、放置すればいずれ出そうだったので予防的な措置です。中和器は使い捨てらしく蓋が開かないようになっていたのでドレンの入り口から水道水を勢いよく入れて中和器を振ったりしながら洗浄しました。それでも結構きれいになったと思います。炭酸カルシウムはほとんど減っていなかったです。こうやって時おり洗浄を繰り返せばいつまでも使えると思います。また、中和器の性能を調べるためにpHを測定してみました。結果的には全く問題がありませんでした。このように、中和器のエラーとしては290エラーも多いですがこれはドレンホースや中和器内部が詰まってしまうことによるものです。凍結や汚れでつまるのでそれを解消すれば治ります。また、10年使用で888という有料点検督促エラーが出ますがこれは、電源ボタン5回連打で消えます。私に言わせれば、このようなエラーは余計なお世話です。燃焼や温度に関する重大なエラーは出すべきですが故障とも言えないのにくだらないエラーを出すと、何事が起こったかと不安を煽るので、対応が必須のエラーの重大性がともすれば薄められてしまいます。くだらないエラーは出すべきではありません。

★目次
00:00 920エラーはリセットしたが中和器は大丈夫か
00:22 給湯器の設置場所・分解開始
01:21 中和器周りの部品の取外し
05:14 中和器本体の取外し
06:17 中和器の洗浄作業
07:53 中和器の取り付け
10:17 中和前と中和後の結露水の採取
11:22 中和器の効果を調べるためにpHを測定
12:53 中和器はまだまだ使える
14:11 中和器の洗浄は290エラーが出たときにする
14:54 そもそも中和器自体必要なのか 
16:21 中和器寿命エラーは不要930エラーはやりすぎ
18:27 中和器エラーのリセット方法を周知すべき

【そもそも論ですが、中和器って本当に必要?】
中和器内にスライム状の物質がたまるのは油煙のようなものでしょう。私の場合も茶色く変色していましたがスライム状にまではなっておらず水で流せばかなり綺麗になりました。流れが悪くなって改善しないようでしたら290の中和器詰まりエラーが出るのでその場合は中和器を交換すれば良いと思います。ただし、10年以上経った給湯器の場合、中和器が廃盤になっていて給湯器ごと交換と言われた人が実際に居ます。それは何とかならないかと思います。中和器を共通に使える、もっと汎用性のあるものにしてもらいたいと思います。エラーコードを統一するほどガス石油機器工業会が仕切っているのなら中和器も各メーカー新旧全部統一してもらいたいものです。それが無理なら中和器にメンテナンス用の穴を開けて中の炭酸カルシウムを洗浄したり交換したりできる構造にしてもらいたいところです。しかし、そもそも論ですが、今の都市ガスやプロパンガスを燃焼させた場合、ドレン水には硫酸が含まれないので中和器が本当に必要なのか疑問に思いました。
それで、実際に試験紙やpHメーターを購入し何度も原液のドレン水のpHを調べたりエコジョーズの歴史もいろいろ調べました。
潜熱回収型ガス給湯器は1983年に製品化されるなど古くから広く知られていますが、特許は1991年に松下電器産業が取得しています。
実際にエコジョーズという名称で潜熱回収型ガス給湯器が製品化されたのはかなり後です。2000年に高木産業(現在のパーパス)が製品化し、エコが推進される中、経済産業大臣賞、技術大賞を受賞して2002年には業界各社がエコジョーズの給湯器を販売するようになりました。25年前とおっしゃっていましたが私が調べたところでは約20年前に各社がエコジョーズを生産するようになったということです。
製品化された当初2000年頃の都市ガス成分には硫黄が含まれておりSOxが排出されていたであろうということです。下記経産省の文書の
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/gas_system/pdf/01_05_00.pdf
【図表 1-1-2】都市ガス事業における原料構成比の推移を見ると、2002年には少ないもののナフサ等の石油系やわずかに石炭系のガスも混入しています。それらに入っている硫黄成分によりSOxが排出され、硫酸となってpHを下げていたと思います。pH=3程度だったのかも知れません。そこまで低くなかったかも知れない。しかし、硫酸は不揮発性の酸ですから水が蒸発することで濃縮されます。そこで、一般家庭の生活排水ならば法的な問題は無いにせよ、エコをうたうような製品ならば排水に関しても気を遣うべきなので当時、ドレン水を炭酸カルシウムで中和してから排水するようにしたことは良いことだったと思います。これが中和器です。当初のメーカーの動機としてそれは良いことだと思います。
ところが【図表 1-1-2】で2007年以降の都市ガス成分を見れば石炭系や石油系のガスは無きに等しくなっており、他の成分からも硫黄成分はすべて取り除かれるようになり都市ガスには硫黄が含まれなくなりました。つまりドレンに硫酸が混じることはなくなったということです。低NOxバーナーは当初から使われていたので2007年頃からエコジョーズの給湯器のドレン水のpHを下げる要因は、NOx由来のごく少量の硝酸だけになりました。その頃からずっとエコジョーズのドレン水は、私が最近測定したようにpH5~6の弱酸性であったはずです。これは例えば炭酸水よりも弱い酸性です。
日本全国平均の雨水のpHは4.8程度です。それは中和器に入る前のドレン水よりもpHが低いということです。動画で測定していますが、試験紙でpH =5.5程度でした。
「元々の結露水は雨水よりマシ!」
このことから中和器は現行の都市ガスを使っている場合、本当に必要なのか甚だ疑問に思います。なにしろ普通に降る雨よりも弱い酸性なのです。そのまま排出したとして一体何の問題があるのでしょうか。例えばレモン果汁はpH3以下です。そのような低いpHの生活排水は家庭から日常的に排出されています。それでもpHとしての問題があるとは思えません。また硝酸は揮発性の酸ですので水分の蒸発によって濃縮されることもありません。
私の結論は、今となってはそもそも中和器は不要だということです。2000年頃の環境では中和器があった方が良かったと思いますが、2007年頃以降、さらに今となっては中和器は不要だということです。中和器の洗浄をしましたが中和剤としての炭酸カルシウムはほとんど減っていませんでした。それは中和すべき酸性の原因となるもの、すなわち水素イオンが、そもそもそれほど多くないということを意味します。

【中和器を通さないと国交省のガイドラインに違反する?】
それはとんでもない誤解です。国交省の下の文書の意味は
https://www.mlit.go.jp/common/000206456.pdf
業界団体がお役所から
「エコジョーズのドレン排水を雨水桝に入れてもよい」
というお墨付きをもらったものです。
エコジョーズの使用者を規制する法律ではないです。
一般社団法人日本ガス石油機器工業会が
「エコジョーズのドレンを雨水桝に入れても問題ないと地方自治体に周知してください」
と、お願いをしてそれを聞いて国交省が
「そうだね。問題ないからお墨付きをあげるよ」
と言っただけのものです。それを盾にとってエコジョーズの使用者に規制がかかっているから中和器を交換しなければ違反だなどと言う人は全くどうかしているし怒り心頭です。

【長期使用製品安全点検制度に則ったエラーではないのか?】
経産省の長期使用製品安全点検制度というものがあります。これは対象の商品についてユーザーとメーカーに点検・メンテナンスの責務を求める制度です。
https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/shouan/07_tyouki.html
ガス給湯器はもともと対象製品ではありません。2009年以降に作られたガス瞬間湯沸器など9品目について点検・メンテナンスがユーザーとメーカーに義務付けられましたが、当初よりガス給湯器は対象外です。さらにこの点検・メンテナンスは費用が有料でユーザー負担となっており、おそらくユーザーからの苦情が多かったのか、2021年(令和3年)8月1日の見直しにより、大幅に対象品目が削られ、何故か石油給湯器と石油ふろがまの2品目のみが対象として残りました。それはどういうことかと石油給湯器をお持ちの人で怒っている人がいらっしゃいます。そのような制度の影響もあってか、対象外の製品でも点検を推奨するラー表示が自動的に表示されるようになっています。ガス給湯器でも10年で888エラーが出るのでこれも余計なお世話だと思いますが、希望する人は有料の点検を受ければそれでよいと思います。点火、温度、燃焼、水量に関する重要なエラーは別のコードで表示されますし、そのような場合は専門家による点検が必要になると思います。そのような重要なエラーは必ず出すべきですし従来からそのようになっています。それは問題ありません。しかし中和器交換エラーは余計なお世話を通り越して、ユーザーを騙すようなエラーで悪意を感じます。
メーカーに電話で確認したところ、中和器を交換しなければエラーは解除できないということでした。私がこの動画で言っているのは920エラーは百歩譲って注意喚起として仕方ないとしても、放置すれば930の強制停止になるという強引なやり方は絶対に良くないと思うので自己責任で解除すればよいということです。強制的に使えなくするインターロックを問題にしているのです。不完全燃焼やガス漏れに関するエラーは厳密にやればいいです。しかし、時限で使えなくするのはとんでもない暴挙です。
コメントで、複数の方々が、920エラーが出て中和器は廃版なので本体ごと交換40万円と言われ、ある方は給湯器納期は数か月後。それまでに930となれば銭湯に行ってくださいと言われたそうです。930エラーの自動停止に怯えながら暮らすストレスもきついですが交換費用の負担も非常に高額で簡単に払える金額ではありません。不安を煽って儲ける点では霊感商法並みの悪質性があるので私は絶対に認めません。こんなことがまかり通っていてよいのでしょうか。怒り心頭です。とても公正な取引とは思えません。エアコンもそうですが、業界団体が互助組合化して行政を巻き込んで消費者をいいようにカモにしているということだと思っています。

#エコジョーズ
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