桂離宮 〜建築と庭園が美しく融合した日本庭園の最高傑作。建築家ブルーノ・タウトが愛した景観をご覧ください。

2023/01/01 に公開
視聴回数 25,594
0
0
桂離宮は阪急「桂」駅から徒歩で20分ほどです。江戸時代に皇族の別邸として造営され、明治時代になって宮内庁管轄となった後に「桂離宮」と称されるようになりました。桂離宮は日本最古の池泉回遊式庭園であり、建築と庭園が美しく融合した日本庭園の傑作と言われています。1933年に来日したドイツの建築家ブルーノ・タウトが日本のモダニズム建築として絶賛したことから、国際的にも高い評価を得るようになりました。

《外腰掛》
外腰掛は桂離宮に招かれた人が茶室に行く前の待合所で、庭園や茶室に行く前に気持ちを整える所として設けられました。

《松琴亭》
天橋立越しに、最初のハイライトとなる松琴亭が見えてきます。松琴亭には石橋を渡ってアプローチします。茅葺入母屋作りの松琴亭は冬向きの茶室として設けられており、、暖房用の石炉も設けられています。藍色と白の大きな市松模様が印象的な襖ですが、この模様は池向こうの月波楼から眺めたときに室内に見える襖がアクセントとなるように計算されたものだそうです。

《賞花亭(しょうかどう)》
賞花亭は間口2間の小規模で素朴な茶屋で、二方向は吹き放しの開放的な建物です。
離宮内で一番高いところに位置しており、桂離宮で唯一「見下ろす」景観が楽しめるところです。

《園林堂(おんりんどう)》
池の南側にある島に建つ持仏堂は「園林堂(おんりんどう)」と呼ばれ、桂離宮で唯一の本瓦葺の建物です。正面に掲げられた「園林堂」の額は、後水尾上皇の宸筆だそうです。

《笑意軒》
池の南岸にある「笑意軒」と呼ばれる建物は、池に面した北側を正面とする茶室です。この茶室は景観を充実するために建てられたそうです。

《月波楼》
離宮内のハイライトである月波楼は池の西岸にあり、南を正面とする茶屋「月波楼」です。秋の茶屋とされており、秋に観月を楽しむために用いられたそうです。建物は舟をモチーフにしており、屋根裏の竹の垂木は舟底を想起させます。ここからの景色をブルーノ・タウトは愛したそうです。

【撮影メモ】
桂離宮は事前予約制です。早朝に行くと(空きがあれば)当日分の入場枠で入ることもできるようですが、確実に参観するためにはやはり事前予約が無難かと思います。また、事前予約自体も人気があるため直前では難しいと思います。早めに予約されることをお勧めします。また、参観はガイドの方による完全ツアー制で、自由にうろうろとはできませんので、撮影は一期一会のつもりで(大袈裟ですが)、その瞬間瞬間にシャッターを押すことが必要かと思います。