イラン史上初の直接攻撃にイスラエル首相“前例ない反撃”計画か「報復の連鎖」懸念も【サンデーステーション】(2024年4月15日)

2024/04/15 に公開
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中東情勢が一気に緊迫してきました。イランが長年対立してきたイスラエルに対し、初の直接攻撃を行いました。イスラエル側は反撃を明言しています。

■「真上通り過ぎた」暗闇に閃光ミサイル迎撃

未明のエルサレムの上空。鳴り響く空襲警報の中、数多くの光が地上へ降り注いでいきます。イスラエルのアシュケロンの上空でも…。
降り注ぐ光は、イランなどから発射されたとみられるミサイルです。
光の動きをよく見ると、地上へ向かう光と、上空へ向かう光があることが分かります。地上へ向かう光はイラン側のミサイルとみられ、上空へ向かう光はそれを迎撃しようとするイスラエルのミサイルだとみられます。
「俺たちの真上を通りすぎたぞ」
(CNNニック・ロバートソン記者)「上空ではミサイルを迎撃したとみられる、黄褐色やオレンジ色の火が見えます。複数の異なる方向から迎撃が続いています。上空では何度も爆発音がしていますが、迎撃した音のようにも聞こえます」
イランの革命防衛隊はシリアにある大使館への空爆の報復として「ミサイルやドローンを用いてイスラエル軍の拠点を攻撃した」と発表しました。

■大使館空爆で…ハメネイ師「代償払うべき」

長年、対立を続けてきましたが、イランがイスラエルの領土に向けて直接攻撃するのは史上初めてです。イランの最高指導者ハメネイ師はSNSにビデオ声明を投稿。
(イラン最高指導者ハメネイ師)「大使館という場所は、その国の領域と同じです。我々の大使館への攻撃はイランへの攻撃と同じです。邪悪な政権(イスラエル)は過ちを犯した。罰せられるべきだし、そうなるだろう」
(聴衆)「アラーは偉大なり」
発射台から飛び立つドローン攻撃機。イランの政権に近いタスニム通信は、イスラエルに向け数十発のミサイルとドローンによる攻撃を行ったと報道。イランの隣国イラクの上空では、飛行するドローンとみられる映像も撮影されています。オレンジ色の飛行する物体。タスニム通信によれば、イラク南部のバスラ上空をイスラエルに向けて飛行するミサイルだということです。

「アラーは偉大なり」
「イスラエルに死を」
イランの首都テヘランにはイスラエルへの報復攻撃を喜ぶ人々の姿が…
「イスラエルに死を。イスラム革命防衛隊、万歳」
「イスラエルが滅びるまで攻撃し続けてほしい」
イランの国営メディアは「発射したミサイルの半数以上が目標に命中した」と主張しています。
(イラン革命防衛隊の司令官)「着弾に関して記録された現場からの詳細な報告によると、今回の作戦は我々の想定より大きな成功をおさめた」

■イスラエル「ミサイル99%迎撃」主張

一方、イスラエル軍は、迎撃システム「アロー」を使ってイスラエル領内に入る前に大部分を迎撃したとしています。
(イスラエル軍ハガリ報道官)「イランは攻撃を開始し、300以上のミサイルなどを発射した。イスラエル領土に向けられた“脅威”の99%は阻止した。領内に着弾したのは数発だけだ」
イスラエル軍によると、弾道ミサイル120発以上のうち一部がイスラエル南部のネバティム空軍基地に着弾しましたが、被害は小さいということです。
(ネタニヤフ首相のSNS)「我々は迎撃し阻止した。ともに勝利するだろう」
ネタニヤフ首相はイランへの反撃を明言。現地メディアによると「前例のない対応計画」をとる方針だといいます。

■バイデン大統領“反撃に反対”と緊急会談

週末を過ごすデラウェア州から、急遽ワシントンに戻ったバイデン大統領。声明で今回の攻撃にはイランだけではなく、イエメンやシリア、イラクで活動する新イラン勢力も加わっていたと指摘。アメリカ軍がドローンやミサイルの迎撃でイスラエルを支援したことも明らかにしました。
攻撃後に行われたネタニヤフ首相との電話会談。アメリカメディアによれば、バイデン大統領は「イスラエルがイランに反撃することに反対する」と伝えたといいます。
(バイデン大統領電話会談)「アメリカはイランに対するいかなる攻撃にも参加せず、そのような作戦を支援する考えはない」
(ネタニヤフ首相電話会談)「わかった」
国連の安全保障理事会は対応を協議するため、日本時間の15日、緊急会合を開く予定です。

4月14日『サンデーステーション』より (C) CABLE NEWS NETWORK 2024
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