「共感を科学する:その進化・神経基盤」長谷川 寿一(東京大学大学院総合文化研究科 教授) - 平成29年度 軽井沢土曜懇話会 第2回

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平成29年度 軽井沢土曜懇話会 第2回
「共感を科学する:その進化・神経基盤」

日時:2017年9月2日(土)
講師:長谷川 寿一(東京大学大学院総合文化研究科 教授)

共感性は、人と人の間で気持ちや思いを重ねたり繋いだりする心の働きである。共感性は、人間社会における協力や相互理解の基礎を支えており、アダム・スミスも道徳感情や社会秩序は共感に根ざしていると述べている。チャールズ・ダーウィンは、さらに共感は社会生活を営む動物においても備わっていると主張した。近年の研究によれば、ダーウィンの指摘のように、社会性動物の間で、情動の伝染や救助行動が数多く報告されるようになり、その神経機構についての研究も進んでいる。人の幼児においても、感情が共有されたり、他者に対して優しく振舞ったり、援助する行動が意地悪行動より好まれたりすることが分かってきた。今回の講演では、これら共感性の進化神経基盤に関する近年の研究動向についてお話ししてみたい。

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