俳優・佐藤二朗さんが公表「強迫性障害」 医師「完治するのは難しい」心配性との違いは?受診の目安は?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

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個性派俳優として知られる佐藤二朗さん。SNSで小学生の時に発症した「強迫性障害」を公表しました。どんな病気なのか?そして受診の目安について、精神科医に聞きました。

■強迫性障害の症状とは?仕事や生活に支障が出ることも

良原安美キャスター:
俳優の佐藤二朗さんが公表した「強迫性障害」とは、強迫症状のために日常生活に影響がでる病気です。発症は10~20代が多く、患者の割合は100人に1~4人が生涯の間に経験するということで、決してめずらしい病気ではないと言えます。

どんな症状が現れるのか、精神科専門医・田中伸一郎さんにお伺いしています。例えば、▼何度手を洗っても安心できない、▼ドアの鍵を閉めたか何度も確認する、▼運転中に外で物音がすると、「誰かをひいたのでは」と車を降り確認する、▼4や9など特定の数字を見ると不吉なことが起きないか心配になる、などといったことがあるようです。

この行動がエスカレートすると、「1つの行為をするのに何時間もかかり、仕事や生活に支障が出る場合もある」といいます。

以下の行動は症状として当てはまる可能性があるのでしょうか?・片手でコップを持ったら、もう片方の手でも持たないと気が済まない。・右側に寝返りを打ったら、左側にも寝返りを打たないと気が済まない。

精神科専門医田中伸一郎氏:
右か左か、両方じゃないと気が済まないみたいな症状もあります。右と左が一対一になるとすっきりする。それを繰り返してしまうことがあります。

ホラン千秋キャスター:
心配性で何度も確認してしまう方もいると思うのですが、心配症であるということと、強迫性障害であるということの、明確な線引きは医療的に行えるものなのでしょうか?

精神科専門医田中氏:
本人の“困り感”ということになると思います。だから心配性だとある程度回数が少なくて済んだりとか、時間も数分で済んだりすると思うのですが、強迫性障害になると1時間以上とか時間がかかったり、回数が何十回になったりということがあります。

井上貴博キャスター:
こういう症例は、自分で止めたいと思っていても止められないんですか?

精神科専門医田中氏:
「そこまでやらなくてもいいのにな」と思いながらということもあるんですけど、そうじゃなくて、何かとにかくやっちゃうっていう人もいます。人によって違うっていうところなんですよね。

萩谷麻衣子弁護士:
私がドアの鍵を閉めたか何度も確認していて、それこそ電車に乗ろうとしたのにもう1回家に帰り、また駅に戻っても「やり忘れたかな?」って戻ることを2、3回やることもあるんですけど、それはやっぱり単なる心配性なのでしょうか?

精神科専門医田中氏:
度がすぎる心配性って感じですかね。2、3回だったらまだ大丈夫かなって感じなんですけど、本当に病気だとすると2、3回じゃなくて、10回も20回もという感じになります。

そうなると、何回も駅と自宅を往復することになるので、確認作業のために例えば30分とか1時間早く起きるといった計算が始まると、生活にだんだん侵食してくることがあります。

■心配性との違いは?受診の目安は?「強迫性障害巻き込み型」なら家族の理解も必要

良原キャスター:
「心配性」という表現は、自身の性格を表すときに使うことがあるかと思いますが、そことの違いです。

心配性・・・確認などを数回する程度
強迫性障害・・・確認などを数十回繰り返すなど、長時間を費やす

受診の目安の判断ですが、例えば▼学校や仕事に遅刻してしまう、▼行けない場所が増える、▼家から出られなくなるなど、こうした状況にある場合は、メンタルクリニックや精神科クリニックを受診してほしいということです。

実際に治療法としては、▼抗うつ薬などの薬による治療と、▼患者さんの物の考え方や行動を変えていくように働きかける認知行動療法を併用すること。

ただ「治療には数年単位でかかる場合が多い。完治するのは難しい」と田中さんはおっしゃいます。

井上キャスター:
本人がつらいのはもちろんだと思うのですが、周りにいる人はどういうことに気をつけて接するといいですか?

精神科専門医田中氏:
強迫性障害の人には2種類パターンがあって、本人が自分でその強迫症状を行っている「自己完結型」と、例えば鍵の確認であっても2階の鍵は家族にお願いするとか他者を巻き込むタイプの「巻き込み型」があり、もちろん確認が1回で済めばそれで出かけられるので心配性の水準だと思いますが、本人が戻ってまた確認する、2階はまた家族に確認してもらうってなってくると、「強迫性障害巻き込み型」と言います。パターンによって家族の対応も変わってくると思います。

萩谷弁護士:
例えば家族から「病気だから病院行った方がいいんじゃないの」と言うことによって、本人は傷ついたり、「いや、病気じゃない」と思ったりするかもしれないんですけど、「巻き込み型」の場合は家族としてどう本人に話しかければいいでしょうか。

精神科専門医田中氏:
生活のかなりの部分を強迫の症状で取られてしまうので、それは本人にとってもとても…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20240207-6137886


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