【上質な家の条件 | キッチン編(インテリアファーストvol.1/3)】キッチンは家の核※メーカー、素材、グレードに囚われると失敗する▶時代遅れのLDKから「KDL」に暮らしをアップデートせよ

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私の家づくりの根幹「KDL」のお話しです。
動画は、今回のキッチン編を含めた3部作でお届けします。
※キッチン編(vol.1)、ダイニング編(vol.2)、リビング編(vol.3)


『押村流、キッチンへの考え方』
まず、LDKではなくK→D→Lが大切な順番という大前提のお話しです。
なんのこっちゃ、ですね笑
一つの空間としてその役割を果たしてきたLDKを、「K・D・Lに分解」して再構築したものがKDLです。
従来のLDKから、キッチン(K)を中心としたKDL空間へのシフト。
そのKDLを設計する際に、無くてはならない「インテリアファースト」という設計手法について解説します。


K=キッチンは家族とのコミュニケーションの場。
D=ダイニングは家族とお客様(他人)とのコミュニケーションの場。
L=テレビ、読書、昼寝、スマホなど、プライベートを楽しむ場。


今回は「家の核」であるキッチンについて、私の想いを存分にお伝えします。
今では様々なキッチンのカタチがありますよね。
カウンターキッチン、アイランドキッチン、L型、ペニンシュラ、壁付け、Ⅰ型、Ⅱ型‥。
中でも壁付けからカウンターキッチンへの変遷、それは大きく優れた進化でした。
とはいえ孤立した閉塞感が、私をアイランドキッチンへと向かわせることとなります。


アイランドキッチンへの想いを強めた、もう一つの要因。
それは、アメリカ(ロサンゼルス)に移住していた伯母の家を訪れた、私が当時16才の体験に遡ります。
料理好きの伯母の家では、常時キッチンに家族が集まっていたのです。
流動的に人が集い、コミュニケーションを楽しむ姿がありました。
幸せな家族のあり方を創造していると感じたと同時に、日本では見られないその光景が眩しく、そして羨ましかったのを覚えています。

カウンターキッチンでは、手元が隠せることから散らかっていても大丈夫。
みたいなことを耳にしますが、隠されていること自体が参加型になりにくいですね。
私は逆だと考えています。
料理をしている最中(姿)を汚いとも下品とも思わないですし、なんなら美しいと感じています。
オープンだからこそ、料理が終われば綺麗に片づけます。
綺麗が保たれると大切にしますし、人が集まりやすくなり、家族の距離が縮まります。


では、実際に私がご提供しているアイランドキッチンとは。
「奥行き1m以上xワイド2.5m位x高さ90cm(身長が150cm以上の方におすすめしている)」
奥行きが1m以上あれば、キッチンに立つ人の向かい側にあるカウンターに座って食事もできます。
料理をする人に関しても、作業スペースが拡充されて食材などを広げられます。

さらに、4つ口コンロを採用することによって、コンロ一つ分を鍋敷きがわりに使って作業スペースを侵さずに済みます。
コンロはIHでも良いのですが、私は人間の進化に大きく関わってきた炎(ガス)をおすすめすることが多いです。

このサイズ感のアイランドが入る空間(キッチンルーム)について。
奥行き約2.7mxワイド4m程度必要となります。
この奥行き2.7mの割当は、奥行き55cmのカップボード+通路1m+奥行き1m以上のアイランド+カウンターにバースツール、といった感じです。
ワイド4mの割当は、冷蔵庫スペース+カップボード+パントリーで、必然的にメーターモジュールの設計となります。
アイランドに収納計画は必須ですので、使いやすいサイズとそれが入る空間設計がマストです。

冷蔵庫の配置も重要ですよ。
カウンターキッチンのお家で、奥にあるコンロ側に冷蔵庫がある設計を頻繁に見ます。
冷蔵庫は調理以外でも家族が使うので、料理をしている人にとっては邪魔でしようがない。
皆さんのお家はどうですか?
もしそうなら、延長コードでもいいから入口側に配置しましょう。
このように、キッチンも導線設計で暮らしが激変します。


キッチン自体に目を向けると、叶えたい部分が沢山あります。
細部や素材、ガゲナウ、ステンレスシンク、クオーツストーンの天板、自動水栓‥etc。
でも、
極論、
どーでもいいです!
予算や好みで、優先順位をつけて綺麗に保てるものを選べば良い。
TOTO、LIXIL、パナソニック、トクラス、タカラスタンダード、クリナップ、CUCINA(クチーナ)、トーヨーキッチン‥ハウスメーカーをはじめ、工務店、一級建築士、住宅系ユーチューバーは、キッチンのグレードや各メーカーの比較をしてランク付けしています。
が、改めて極論、どっちでもいいです!

それよりも大事なことは、
「空間設計(の方)」が大切ってこと。
大きさや高さ、収納計画、動線、調理器具や家電を実際に使った経験など、設計士の力量がより良いキッチンを生み出すのです。

キッチンは料理するだけにあらず。
「家族のコミュニケーションの中枢であり、家の核である」
そのことを、くれぐれもお忘れないように。






【新築住宅への想い、中古戸建て・マンションのリノベーションに関して】
私は新築戸建ての設計や建築を主としています。
理由は美しい街を創りたいたいから。
美しい街は資産価値と、それを守る住人の意識を生みます。
街や住人の意識や価値を一変させる思想で、メイクノスタルジーと命名しております。
日々楽しんで苦しんで命を削る思いで設計を繰り返し、
私の描いた設計図面があんなに大きくスケールアップしたお家に建ち上がる。
感動で心が震えます。

だからリフォームやリノベーションに興味があまりなかったんです。
ただ、知人や関係者からたっての要望があると見てみぬふりができず。
私が関わることで一人でも幸せな方が増えるのなら、という想いです。
マンションであれば一旦スケルトンにしてのフルリノベーションが、設計の醍醐味(暮らしの激変)を感じられます。
また、間取り制作や照明計画、外構工事、クロス選び、バックセット(カップボード)施工、玄関タイル等、部分的なリフォームもほぼ手掛けません。
リフォームでも、建築施工が絡む内容には設計が必要となります。
図面を起こしますと、コンセント・スイッチ・照明計画等の電気配線図の制作も重要なポイントとなります。

照明・電気計画が入りますと、「何を、どう照らすのか」といったインテリア計画(クロス、床材、天井材、家具、カーテン等)が本来必要となります。
図面を描いて、お客様が依頼されている工務店が着工しても「この図面通りには(技術力の差で)出来ません」というやり取りが始まってしまう。
そのような過去のほぼ全ての経験から、住宅の全ては連動した一気通貫の中で計画されるべき、という考えに至りました。
戸建てリノベーションを手掛けない理由として。
いわゆる「暮らしが変わらないリフォーム」しか出来ないことがほとんどだから。
抜けない構造材や、壁の中が想定外の造りになっているなど、表面上は綺麗にできるが暮らしは変わらない。
何より、元々の設計者の意図や意志が入ったお家(設計)にメスを入れるだけの修正作業は非常に苦しいですね。
手前勝手ではございますがご容赦いただけますと幸いです。

私はこの仕事に誇りをもっているので、昨今目にする機会が多い「志の無い」設計士に嘆いています。
しかしながら、そこに向き合うお客様が、より良く打ち合わせが進むようにも願っています。
そこで、ハウスメーカー(設計士)とお客様、双方の視点で解決策はないものかと考察しました。
自由設計!なんでも出来ます!何度でも図面作成OK!‥等々
私には「クレームから全力で逃げたい(だけ)」に見えます。
住宅業界の責任逃れ体質。
設計士の意識改革。
お客様の心構え。
私なりに様々な視点から、原因と対策を提案します。

照明計画でお伝えしたいこと。
それは、住宅の原案設計者にしか分からない意図があるということ。
様々な照明器具や建築化照明がありますが、本来の目的や意図と反して使用することもあります。
照明計画だけを別の設計士に依頼するのはナンセンスです。
照明と親和性を高めるべき項目にインテリアの計画があります。
住宅は奇をてらわず、シンプルに造ってインテリアで美しくまとめることが大切です。

暮らしの質はインテリアで左右され、人生を変える力もありますので、一度きりの真剣勝負で挑んでいただきたい。
根本的にインテリアの良し悪しは、住宅設計で決まります。
コーディネーターではなく、設計士の力量にかかっているということ。
インテリア、外構、全ては原案設計者が一気通貫でプランニングしないと良くなりません。

美しさも居心地もメンテナンス性も、全ては設計力です。

設計力や提案力に満足できないお悩みに対して。工務店や大手ハウスメーカーなど、耐震性や断熱性や機密性のスペックだけを売りにする住宅は、本当に私たちの求める住宅でしょうか?新製品やスペックにとらわれることなく、美しさと使い勝手を併せ持つ私のオリジナルな基準で住宅に関する情報を発信します。後悔の無い・失敗しない家づくりをするために、住宅設備の剪定、インテリアのコーディネート(クロス選び・建具選び・床材選び・カーテン・カーテンレール・家具配置)、照明計画(ダウンライト・間接照明、ペンダントライト)など、住宅設計の基礎となる考え方も参考にしていただければ幸いです。

@tomoyaoshimura1993







#新築 #リフォーム #DIY #ハウスメーカー  #注文住宅  #リノベーション

【チャプター】
00:00 イントロ
00:23 オープニング
01:22 KDLそれぞれの場所を考える
05:04 アイランドが家族の交流に最適なキッチンである理由
13:16 キッチンに大切な3つのポイント
23:57 押村流!最高のキッチンの作り方
35:37 キッチンで必ず抑えたいポイント:冷蔵庫
42:39 キッチンの設計において大切なこと
50:56 エンディング