「今でも死刑囚の顔が…」裁判員経験者が死刑の国民的議論求め署名開始 死刑廃止の欧州の現場は?仏では学校で「死刑の授業」スペインでは「遺族と加害者の対話」【news23】|TBS NEWS DIG

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ベラルーシを除く全ての国で死刑が廃止されたヨーロッパ。日本では死刑について深く考えたり、議論したりする機会はあまりありませんが、実はヨーロッパでは学校の授業をはじめ社会で幅広い議論が行われています。その現場を取材しました。

※動画内で紹介したアンケートは25日午前8時で終了します。

■フランスでは学校で「死刑の授業」 死刑囚や遺族の気持ちに

死刑に反対するNGO
「フランスでは死刑制度がありますか?」

生徒
「ありません」

死刑に反対するNGO
「正解です。死刑はいつ廃止になりましたか」

生徒
「1975年ですか」

パリ近郊の公立高校で行われている「死刑」をテーマにした授業。フランス各地の学校では、毎年10月10日の「世界死刑廃止デー」に合わせて、死刑について学ぶ授業が行われています。

生徒
「私は身内が犠牲になった場合、その罪を犯した人の死を望みます」

生徒に、死刑囚や被害者遺族らの立場に立たせて目を閉じて考えさせる時間も設けられました。

「死刑囚」の立場の生徒
「死刑になる恐怖を感じました。罪を犯したのは自分のせいですが」

先進国の中では、日本とアメリカの一部の州のみ、今も死刑執行を続けていることが話題に上りました。

生徒
「死刑執行ではなく、生きて償わせた方がいいと思います」

世界では、死刑を廃止した国と10年以上執行がない事実上の廃止国は、去年末の時点で144か国と7割以上を占めていて、中でもヨーロッパでは、ベラルーシを除いた全ての国で廃止されています。

■国民の大半が死刑支持の中、廃止に…カギは?

私達は、死刑廃止のキーマンとして知られるフランスのロベール・バダンテール弁護士(95)から話を聞きました。

バダンテール弁護士
「生きる権利は人間にとって一番大切な権利なのです」

1981年、当時のミッテラン大統領から法務大臣に任命されたバダンテール氏。フランスは当時、西ヨーロッパの中では死刑の廃止が遅れていて、ギロチンによる執行が行われていました。国民の大半が死刑制度を支持していましたが、廃止を公約に掲げて当選したミッテラン大統領は、バダンテール氏とともに政治的解決で押し切り、死刑を廃止したのです。

バダンテール弁護士
「死刑廃止時の法律の制定文書です」

廃止後、国民世論は徐々に死刑反対派が賛成派を上回るようになりました。

バダンテール弁護士
「世界中が日本を素晴らしい文明国だと認めています。その日本が(死刑制度を)維持することは恥ずべきことです。日本の政治家は意気地なしです。もう少し勇気をもってもらいたいです」

世論調査でおよそ67%の人が死刑に反対の立場のスペイン。しかし、厳罰化を望む被害者の遺族もいます。

■厳罰化を望む遺族がいる一方、「修復的司法」という考え持つ遺族も

ラウル・ガラ・エンフトさん
「事件はここで起こりました」

ラウル・ガラ・エンフトさん(44)は妹をこの場所で失いました。美術大学に通っていた妹のクリスティーナさん(19)は2000年、同級生の男に逆恨みされて、およそ40か所を刺されて殺害されました。

エンフトさん
「犯人が目の前にいたら私は殺していたと思います」

禁固20年の罪で収容された男は、反省や後悔を口にすることなく3年前に出所したといいます。

エンフトさんは刑の厳罰化を求める活動を続けています。

エンフトさん
「殺人を後悔しない犯人には刑を科すべきです。極刑である死刑を殺人犯には与えるべきです」

厳罰化を望む遺族がいる一方で、テロリストに夫を殺害されたマイシャベル・ラサさん(72)は、死刑に反対の立場です。

ヨーロッパで死刑廃止が受け入れられている背景の一つに、「修復的司法」の考えがあると話します。「修復的司法」とは、加害者と被害者が直接話し合うことで、加害者の立ち直りと被害者の回復を目指す考えです。

ラサさん
「(罰より)対話の方が理解し合うために有効です」

ラサさんの夫はテロ事件が頻発していたバスク地方の議員として、過激派組織との融和を図ってきましたが、3人組のテロリストに銃殺されました。

ラサさんは絶望の淵を生きる中、事件から11年後、直接の謝罪を申し出た犯人と面会することを決断しました。

ラサさん
「事件の犯人が後悔し罪を認める。長期刑を与えるよりずっと価値があります」

ラサさんから前を向いて生きるよう背中を押された加害者のルイス氏(54)は…

ルイス氏
「私は彼女のおかげで変わることができました」

ルイス氏は2023年3月、修復的司法の啓発をしているラサさんとともに、自らも前に立つことを決意しました。

ルイス氏
「(修復的司法は)自分のような野蛮な人間も救ってくれます。ラサさんに会って、許しを請う必要がありました。そして皆さんにこの姿を見せることが必要でした」

夫の慰霊碑を作ったラサさんは、世界から「死刑」がなくなることを願っています。

ラサさん
「死刑はものすごく重い言葉です。欧州やスペインでは修復的司法があるので、死刑の復活は考えられません」

■ 死刑廃止の…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20231125-6123611


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