ウクライナから避難の母親と6歳の娘 連休中に名古屋の水族館へ 母親「戦争のことはあえて話していない。怖い思いをしてほしくないから」(2022/5/6)

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(ウクライナ・ザポリージャから避難したラーナちゃん)
「エイだ!」

6歳の娘の笑顔を守るために…母親はウクライナから愛知県長久手市に避難。ことし3月のことでした。

(母 ルーバさん)
「自分の娘が笑っているのはうれしい。母親としては特別なものがある」

ウクライナ南部の街、ザポリージャから避難してきた、ルーバさん(42)と、娘のラーナちゃん(6)。愛知県でダンス講師をしている、ルーバさんの双子の姉・ヴェーラさんを頼りました。

ふるさとザポリージャは、ロシア軍の空爆により破壊されました。このため1300キロ先の隣国・ポーランドへの脱出を決断。

ふるさとの駅は、我先に逃げようとする人たちでごった返し、つねに言い争いが起きていたそうです。

(ザポリージャから避難 ルーバさん)
「一番心配だったのは娘。身長が小さいし、守るのに必死だった」

ふるさとを離れた親子は、ワルシャワでおよそ20日間すごし、その後、愛知県長久手市へ。新たな生活で直面したのはやはり「言葉の壁」でした。

(ザポリージャから避難 ルーバさん)
「日本語ができないのが大変です」

こうした中、ラーナちゃんは4月、地元の小学校に入学。

(ザポリージャから避難 ラーナちゃん)
「おはようございます、ありがとうございます」
Q.友達はできた?
(首をふる)

母親のルーバさんは、徐々に生活も落ち着いてきているといいますが、突然の環境変化に、ラーナちゃんが適応できるのか気づかいます。

(ザポリージャから避難 ルーバさん)
「戦争のことはあえて話していない。怖い思いをしてほしくないから」

訪れた水族館で笑顔「ペンギンだっこしたい」
5日、ルーバさんはラーナちゃんと、姉 ヴェーラさんと3人で名古屋港水族館へ。ラーナちゃんにとっては初めての水族館。

出迎えてくれたのは2頭の「海の王者」シャチです。そして…

(ザポリージャから避難 ラーナちゃん)
「(ペンギンを)だっこしたい」

ゴールデンウイークの名古屋港水族館は、笑顔あふれる家族でいっぱい。ルーバさんは避難できたのは良かったものの、ウクライナ人はなぜ、こんな運命を背負わなければならないのか…と笑顔一杯の休日に、複雑な思いもこみ上げてくると言います。

(ザポリージャから避難したルーバさん)
「大丈夫…(日本が休日なのは)知っていたから…しょうがない」

ラーナちゃんが一番楽しみにしていたのはイルカショーでした。

笑顔の娘と寄り添う母。ウクライナから遠く離れた、愛知県での記憶が少しでも素敵なものになるように…。それが母の願いです。

(ザポリージャから避難 ルーバさん)
「大きくなっても、きょう体験したような楽しい思い出を、思い出してほしい」