角谷浩一×神保哲生:日本の政治の機能不全を露呈させた能登半島地震と裏金パーティ問題

2024/01/18 に公開
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永田町ポリティコ 第19回(2024年1月18日)
司会:角谷浩一(政治ジャーナリスト)、神保哲生(ジャーナリスト)

 2024年は1日に能登半島大地震、2日は羽田空港で航空機の衝突炎上事故と、相次ぐ悲しいできごとで幕を開けた。

 しかし、そのような危機にこそ迅速な対応が求められる政治は、年明け早々から現職の国会議員が逮捕されるなどパーティ裏金スキャンダルに揺れ、岸田政権の当事者能力が問われる事態となっている。

 地震大国の日本では大地震は避けられないし、航空機事故も管制の指示の誤認などヒューマンエラーはいつ起きても不思議はない。しかし、問題は大地震が起きた時、救援体勢の構築やライフラインの復旧などを迅速に進めることで事後の被害を最小化し震災関連死をどれだけ防げるかにあり、それは政治と行政の手腕にかかっている。また、航空機事故にしても、機長が管制の指示を取り違えたり誤認した時、それが直ちに大事故につながらないようにするために、どれだけのセーフティネットが用意されているかが問われる。

 しかしながら年初に起きた震災と事故は、震災への備えや対応という意味でも、大事故を未然に防ぐためのセーフィティネットの整備という意味でも、今の日本がとても先進国とは言えないほど、不十分な対応しかできなくなっている実態を露呈することとなった。

 その危機的な状況に対して肝心の政治は、問題となっている現在の政治文化のど真ん中に居座る長老議員たちを幹部とする「政治刷新本部」なる、明らかに有権者をバカにしているとしか思えないようなアリバイ組織を作り、そこで今後の改革を議論するなどと言い出している。泥棒に泥棒を捕まえることなどできるはずがない。

 今回の一連のできごとは、単にパーティ収入が未記載だったことやキックバックが裏金化していたことにとどまらず、政治そのものがもはや完全に機能不全に陥っていることを強く印象づける結果となった。

 日本の政治はなぜこのような悲惨な状態に陥ってしまったのか。どこに真の原因があり、どうすれば本当の意味で今の政治を「刷新」することができるのか。

 政治ジャーナリストの角谷浩一とジャーナリストの神保哲生が議論した。

【プロフィール】
角谷 浩一(かくたに こういち)
政治ジャーナリスト
1961年神奈川県生まれ。85年日本大学法学部新聞学科卒業。東京タイムズ記者、「週刊ポスト」、「SAPIO」編集部、テレビ朝日報道局などを経て1995年より現職。

神保 哲生(じんぼう てつお)
ジャーナリスト/ビデオニュース・ドットコム代表 ・編集主幹
1961年東京都生まれ。87年コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。クリスチャン・サイエンス・モニター、AP通信など米国報道機関の記者を経て99年ニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を開局し代表に就任。著書に『地雷リポート』、『ツバル 地球温暖化に沈む国』、『PC遠隔操作事件』、訳書に『食の終焉』、『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』など。

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