現場の状況を把握する“目”国産攻撃用・民間・レスキュー・・・戦局を変えた“ドローン”(2022年5月2日)

2022/05/02 に公開
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『ウクライナ侵攻が変えた世界』5月9日という記念日に、今回の戦争の勝利を祝おうという狙いは外れ、ロシア側は戦争の長期化を余儀なくされています。なぜ、プーチン大統領の目算は狂ったのでしょうか。2日は“兵器”に着目します。

トルコ製の軍事用ドローン“バイラクタル”。序盤戦、ロシア軍の対空兵器や、補給部隊などをピンポイントで無力化し、侵攻を遅らせることに成功したといわれています。

戦局の変化とともに、ウクライナ軍も初の国産攻撃ドローンを投入。その名も“パニッシャー(断罪者)”です。2週間前に軍のテストをパスし、攻撃用としての運用が始まりました。飛行性能は、バイラクタルと比ぶべくもないですが、その分、費用は破格。1機当たり100分の1程度です。低コストということは、短期間での増産も可能です。東部の戦線が長期化の様相を呈している今、すでに、貴重な戦力になっているといいます。
開発社『UA Dynamics』マクシム・ムジカ 社長:「現在、戦局が新たな段階に入り、このドローンの有用性が認識されるようになった。この戦争を左右する“ゲームチェンジャー”になりうる。このドローンは、ウクライナ侵攻という誤った判断を“罰する”使命がある。だから“断罪者なのです」

今回の戦争では、キーウ防衛戦でロシア軍を退けた対戦車ミサイルや、アメリカから授けられた小型の自爆ドローンなど、さまざまな兵器が取り上げられてきました。そのなかでも、ひと際注目されたのが、市民から政府に提供された“民間ドローン”です。

ウクライナ軍の指令室のモニターには、リアルタイムで送られてくるウクライナ各地の映像が映し出されます。民間ドローンから得られた情報も、ここに集約されます。

3月上旬、民間ドローンで撮影されたキーウ近郊の映像には、建物の影に隠れるように戦車の集団が映っています。ロシア軍を表すシンボルの1つである『V』の文字がはっきりと見てとれます。

ドローンがロシア軍を捕捉すると、GPS情報をもとに、どこにいるかを特定。指令室から周辺にいる対戦車部隊などに伝えられます。まさか居場所が筒抜けになっているとは思いもしないロシア軍は、撃退されていきました。民間ドローンの活用が戦局を変えた。世界でも類を見ない事例です。

政府の呼び掛けに応じて寄せられた民間ドローンは、数千機に上るといわれています。ロシア軍を監視する、いわば“市民の目”です。

キーウで産業用ドローンの輸入販売を手掛けているヤコヴェンコさん。在庫の全て約300機を政府に提供しました。
輸入販売『DroneUA』ヴァレリー・ヤコヴェンコ 社長:「傍観者でいるウクライナ人は、この戦争で一人もいない。すべての人が貢献しようとしている」

機材だけではありません。ドローンの操作に長けた社員たちも派遣しました。
輸入販売『DroneUA』ヴァレリー・ヤコヴェンコ 社長:「彼らは前線のかなり近くに滞在し、敵の侵入を察知するために、あらゆる情報を収集している。前線から離れたところにいる当社の非軍事チームの一部は、ロシア兵の戦争犯罪の証拠をドローンで集める活動もしている。“平和利用”の小型ドローンであっても、ロシア軍は脅威を感じている。もう隠れられる場所など、どこにもないから」

“多彩なドローンを適材適所で”。都市防衛を担う主力部隊の司令官は、それこそがロシア軍に対抗する術だと分析しています。
アゾフ大隊のマクシム・ゾリン司令官:「私たちは民間・軍事ドローンを目的、性能によって使い分けている。ロシアは時代遅れで“旧ソ連時代”のような戦い方。それが多くの損失を出した理由。軍事技術の進歩に後れをとらないことが大事」

戦地での新たなドローンの活用法を模索する動きも始まりました。人が入っていけないような場所を探索する“レスキュードローン”。ウクライナでは、都市が破壊され、市民の命が常に危険にさらされてきました。戦地の混乱の中で、一人でも多くの人を救う。ドローンの新しい可能性です。
『BRINC』開発研究部主任のディミトリ・タラソフ氏:「ガラス破砕機を装備しているので、ガラスを打ち破って建物や車内に進入できる。さらに、ドローンでの通話が可能。救助隊や特別機動隊が救難者との会話もできる。現地は、人間の代わりにドローンを送り込むべき危険地帯。現場の状況を把握する“目”になってもらう。(Q.ウクライナですでにこのドローンが使われている)はい。ポーランドでの訓練生たちから報告を受けるが、彼らはまさに破壊された建物内に入ることなく探索活動ができているそう」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp