Nu:ll - 眺めせしまに (Music Video)

2024/05/01 に公開
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「花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに」

小野小町 (9番) 『古今集』春・113

先日、自分の生活が遠い昔の貴族よりも裕福であることを発見しました。
それは、私が裕福な家に産まれたからでも、何か能力を持っているからでもありません。
裕福な時代に産まれたというだけの話なのです。
この時代、この国では、私のようなちゃらんぽらんでも、出勤すれば時給が発生します。
類い稀なる才能も、大衆を引くリーダーシップも、何かを生み出す創造力も、生きる為の必須項目ではないのです。
これらは幸せに生きる為の追加オプションに過ぎません。
今日寝る場所も、食べる物も、着る服も確保されているというのに、私たちはわざわざ不幸を見つけ出します。
もっと良い部屋に住み、もっと良い食事をして、高いブランドの服を買えるように努力して、それらが手に入らないのであればやはり不幸を演じます。
これから世界がもっと良くなって、手に入らない物がなくなってしまったら、私たちはなにで不幸を演じるのでしょう。
幸せの水準が上がりきった暁に、人間は何を娯楽とするのでしょう。

娯楽に限らず、何事においても「水準」というのは怖いものです。
例えば、類い稀なる美貌を持って生まれていたら、どうでしょうか。
上がりきった水準から、あとは少しずつ、すこしずつ、下がっていくのみです。
1番の売り物だったその顔が、老いていき、誰にも見向きもされなくなります。
絶世の美女と名高い小野小町は、自らの美貌が衰退していく姿を誰にも見られたくなく、晩年は山に籠って生活をしていたとされます。

神様が彼女に与えた美貌というものは、褒美だったのでしょうか、それとも罰だったのでしょうか。


【Credit】
Music : Johann
Vocal : HIZIRI
Mix : Kamiya Tatsuki

MV : Aimi Yoshida

Album art : WOMBO https://www.w.ai
【SNS】
Instagram : https://instagram.com/null_01_nn?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==


TikTok : https://www.tiktok.com/@null8652?_t=8hjTdpSN7bO&_r=1


【Subscription】
TuneCore : https://linkco.re/VtRrehUE

Artist page : https://www.tunecore.co.jp/artist?id=800830

【歌詞】

御伽噺みたいな話
かき集めて愛を描いた
騙し騙し満たされてると
言い聞かせて心を照らす

穴の空いた瓶に水を注いでる
重いことばかり底に溜まった
あなたの夢が見られるように
夜の衣を返して眠る

花が枯れるように私も年老いて
目も当てられなくなる前に
この世を飛び出して逃げてしまおうか
生きた心地にも飽きただろう

息を吸って
毒を吐いて
苦しくなって
眠りにつけないまま
夜は溶け
角の立った
言葉たちが
ただただ宙を舞い揺らぎ

色付いた木が
街の模様替えを進める
浮ついた日々も
酷く淀んだ過去も
不安が詰まった明日も
嫌気がさす
どんな悲劇も喜劇も
他人事なら娯楽に過ぎないよな
部屋の中から見る
外は非現実で
1つ線を引かれているみたいで

春に詰まった
意欲を焼いて
焦げ消えた
火を置いていった
夏に溶かした
二人の愛も
育だなくて
呆気なく枯らした
秋が澄んで
乾ききった
心なんて
凍らせてしまえ
冬が冷やした
日々を泳いで
溺れそうな
息はいつまで持つだろうか

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