大トンボロの町と絶景の砂洲/海界 東シナ海 上甑島(鹿児島県)

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The town on a large tombolo and a spectacular sandbar / Walk around the island village East China Sea Kamikoshikishima (Kagoshima Prefecture)

上甑島
川内川河口の西約26Km、東シナ海にある甑島列島の北側に位置する。分水嶺の東側が旧里村、西側が旧上甑村である。プリやキビナゴ漁を中心とした水産業が中心。捕る漁業から作り育てる漁業へとその基盤整備を図りつつ、ボードセーリングやダイビングなどのマリンスポーツが楽しめる島として観光にも力を入れている。平成13年12月に島の周辺沿岸が日本の重要湿地500に選ばれたことをはじめ、海岸景観、植物景観、海中景観の各分野で高い評価を受けていることから、同27年3月16日に甑島として国定公園に指定された。南側の中甑島とは甑大明神橋、鹿の子大橋で接続しており、2020年に下甑島とを隔てる藺牟田瀬戸に架かる甑大橋が完成し、全島が一つになった。


串木野から甑島へは高速艇が2往復、フェリーが2往復しており、便によって各港の立ち寄る順番が異なる。朝一便は高速艇で、50分で上甑里に直行する。里集落は上甑島の北側にあり、島(上甑島)と島(遠見山)とが沿岸流によって出来た砂洲で結ばれた「トンボロ地形」といわれる砂洲部分とその砂洲の付根部分からなり、両方の中間に里港がある。砂洲の付根部分は武家屋敷跡と呼ばれるところで、麓集落の石垣の町並みがみられる。知覧のように古い住宅はあまり見られないが、車対応による改変が必要とされないという島特有の理由によって、原形を色濃く残している。

西の浜
砂洲部分は両側が海の平坦な集落で、西側を西之浜地区と呼ぶ。「日本の町並み」には「甑島のシノゴヤ」と題して、浜辺に並ぶ独立柱麦藁葺の小屋を紹介している。このように小屋を居宅から離した場所に、みんなでまとめて建てる事例は、長崎県対馬などでも見られ、防火上の理由と言われている。しかし、西之浜には1軒もシノゴヤは残っていなかった。「日本の町並み」では、西之浜の緑地公園計画の中で復原され活かされる予定と書かれていたが、緑地公園は整備されていたもののシノゴヤは無くなってしまったようだ。西之浜の集落は海からの風が強いため、海岸線の防砂林と石垣に守られており、海岸へ通じる通りは風が吹き抜けるため、通りに面する住宅は塀を軒先まで上げて建物と一体化するような作りになっている。

集落町並みWalker
http://www.shurakumachinami.natsu.gs/hyoshi/index.htm
Database 里
http://www.shurakumachinami.natsu.gs/03datebase-page/kagoshima_data/sato/satofile.htm
Database 西の浜
http://www.shurakumachinami.natsu.gs/03datebase-page/kagoshima_data/nishinohama/nishinohamafile.htm