■TVタックル、2005年、12/26「ポスト小泉の本命は…」

2024/02/19 に公開
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この番組は20年ほど前、2005年12月26日にオンエアされた。当時有名な政治討論番組で、与野党の現役議員達の熱弁と、対照的な司会のビートたけし、阿川佐和子氏らの的外し茶々、加えて暴言のハマコー氏やら、どこかトンチンカンな政治評論家先生方の織りなすガチンコ討論が人気を呼んだ。さらに加えてテレビ朝日は何と現役国会議員先生達をにわか役者に起用して討論の舞台を江戸時代に移植、そこで時代劇として当時の政局を脚色したコメディ・タッチで演じさせ、この両者(現実の政局と架空の時代劇)の絶妙なコントラストが番組を盛り上げた。

この番組で出演されている何人かの方々は既に故人となられ、ある方は県知事に、ある方は政令指定都市の名物市長に、また、ある方はこの後、首都の都知事になっている。また、現在「(保守派から)日本初の女性総理に…」と期待されている方もいる。そうした人達の20年前がどうだったのか、その現実こそが若い(当時、まだ生まれていなかった)有権者には参考になるだろう。ポスト小泉の本命は安倍氏だったが、その長期政権の後は御存じのとおり悲劇になった。日本は失われた30年を引きずって長期衰退の過程に入り、貧富の格差は拡大して、GDPではついにドイツに抜かれて四位に落ちた。結局、安倍政権でも「(この番組で言われていた)衰退…」から抜け出すことは「出来なかった…」ということになる。加えて国力の衰退につけ込まれて隣国の軍事的な脅威に直面し、衰退した国力でさらに「金食い虫」の軍備増強に予算を注がねばならなくなっている。

詰まるところ、短期的には自民党議員達の「次は安倍政権!」は当たっていたが、ではその安倍政権が議論の焦点の一つである「日本経済の再活性化」を成し遂げたかと言えば、その答えは「NO!」ということになる。その意味で、与党の言い分も野党の言い分も、正しかったし間違っていた。

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