老いるマンション 大規模修繕の費用が莫大になる問題とは その解決方法は?

2022/12/13 に公開
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札幌でいま共同住宅で暮らす人はおよそ65%、そのうちの4分の1は分譲マンションを持っています。
夢のマイホーム…買って終わりだと思っている方いませんか?


札幌市西区の賃貸マンション。宮の沢ハイツ2017年
築45年で、最上階の庇が崩れ落ちました。
屋上の貯水タンクも老朽化で破損、建物全体に水があふれました。
定期検査を怠った結果起きたとされる問題。
一級建築士事務所「北工房」栃木渡代表「建物のほうが寿命が長いんですそれをどういう形で高齢化した人間がメンテナンスをしていくのかと」いま、マンションの老朽化と住んでいる人の高齢化が大きな問題になっています。
「30年ローンで年金もらえるようになったら家賃払わなくていいねっていう感覚の人もいるが修繕積立金は一生お金がかかります」

通常、分譲マンションではおよそ15年に一度を目安に外壁や階段など多くの共有部分を修繕する「大規模修繕工事」が行われます。
工事に係る費用は管理組合が毎月集めている積立金から支払いますが築年数が経つと修繕箇所も増えていくため毎月支払う「修繕積立金」はじわじわと上がっていきます。
70代女性「最初は8000円くらいだった今は1万6000円。ちょっと痛いですよね。今の年金は多くないからね」
60代「1万5、6000円くらいかな(最初は)7000円くらいだったから倍に、こんなに上がるとは思っていなかった」
50代「2万円くらいだった気がするけど。年金で払える範囲だといいと思うこれ以上上がり続けると住み続けるのも難しくなる」

来年2月に2回目の大規模修繕工事を控えている札幌市中央区の築30年のマンション。
管理組合の理事長(79)「こういうところは汚いから塗り替える」
外壁の塗装や屋上の防水シートの張り替え廊下に入ったひびの修繕などを行うことになっています。
ただ、工事に当たり管理会社から提示された費用は2億6千万円。
今まで集めてきた積立金では到底賄えるものではありません。
住民の半分以上が年金暮らしの高齢者のため積立金の値上げは避けて通りたいところ…そこで

管理組合の理事長(79)「不当な高額にならないようにとりあえず勉強した。周りの管理組合の失敗例なんかも参考にしてセオリー通りにすすめたら1億円安くなった」

自分たちで勉強し管理会社を変えたことで最初の業者より1億円近く安いなんと、1億6千万円で工事ができることに。
住民から集めている修繕金も全く値上げせず大規模修繕工事を行えることになりました。
管理組合の理事長(79)「素人っていうのは私たちにとっては殺し文句管理会社にお任せするようなことをすると管理会社はお金が欲しいから」

一級建築士事務所「北工房」が入るマンション大通ハイムも実は築48年。
一級建築士事務所「北工房」栃木渡代表「リノベーションをしてこんな感じでもともとは3LDKだった天井は築48年もの。リノベして使えばいろんな用途がある」

栃木さんは、4年前に大通ハイムの1室を780万円で購入。
およそ200万円かけてリノベーションしました。
こちらのマンションは、10年前におよそ1億9000万円で大規模修繕工事を実施。
そのとき、外壁にある工夫をしたと言います。
一級建築士事務所「北工房」栃木渡代表「音叩きますこれが普通のコンクリートの壁これが断熱材なんです/個別の暖房ではなくて集中暖房なのでみんなの暖房費も落ちるのでだいぶあったかくなりました」

マンションの外側に断熱材を張ったほか外壁は塗装の塗り替えが必要のない材質に変更しました。
一級建築士事務所「北工房」栃木渡代表「塩ビなんですよ。洗うだけでいいので単純に大規模修繕で塗装をきれいにしようではなくそれくらいの知恵を使って」栃木代表は、メンテナンスさえしっかりすればマンションは100年は持つと話します。
一級建築士事務所「北工房」栃木渡代表「解体、建て替えするのはまず無理/マンションは解体するのに数億かかる。メンテナンスをして長生きさせなきゃどうしようもない状況」


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