死者最大6200人『首都直下地震』の被害想定 東京都が10年ぶりに見直し  スマホ普及やタワマン増加で新たな課題も浮き彫りに|TBS NEWS DIG

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30年以内に70%の確率で起こるとされる首都直下地震。東京都は10年ぶりに被害想定を見直し、死者は最大6200人に及ぶとしました。

この10年間で増加したタワーマンションや、スマートフォンの普及といった生活環境の変化に伴う新たな課題も浮き彫りになっています。

■体験施設で学べる 地震発生後72時間を生き抜く方法

山本キャスターが訪れたのは東京都内にある防災体験施設「そなエリア東京」。まずエレベーターに乗り込みます。

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「このエレベーターは1階まで参ります」

すると、“ゴー”という音が聞こえてきました。

山本キャスター
「なんか音がしましたね。揺れました、揺れましたよ」

そして、エレベーター内の電気が消えました。停電です。

この施設では首都直下地震発生後の72時間を生き抜くためにどうすればいいのか、学べるようになっています。

エレベーターを降りて通路を進むと、そこには“被災した街”が広がっていました。

山本キャスター
「もう街がめちゃくちゃですね、崩れてしまっています。向こうの電柱は倒れています。こちらのビルは完全に崩れてしまっています」

■首都直下地震の被害想定 最大6200人が死亡

近い将来高い確率で起こるとされている首都直下地震にどう備えればいいのか。東京都は、首都直下地震が起きた際の被害想定を10年ぶりに見直しました。

最も被害が大きい想定は、首都の中枢機能に影響を及ぼす可能性がある都心南部を震源とする直下地震です。

マグニチュードは7.3。最大震度7の地震で、今後30年以内に70%の確率で起こるとされています。

冬の夕方に発生した場合、最大約6200人が死亡(10年前から約3500人減)。建物の被害は、約19万4400棟(10年前から約10万9900棟減)に及びます。

この10年で建物の耐震化などが進み、前回の被害想定と比べ、それぞれ3割以上下回っていますが、10年前とは、異なる新たな課題が
指摘されています。

■免振構造の高層マンション 壊れはしないが油断は禁物

都内では、この10年で高層マンションが4割増えました。

規模の大きな地震が発生すると、
周期の長いゆっくりとした揺れが生じます。長周期地震動です。

低い建物に比べ、高い建物の方が
影響を受けやすく、2011年の東日本大震災では、都内の高層ビルが左右に大きく揺れました。

この10年で免震構造の建物も増えましたが、専門家は油断は禁物だと指摘します。

東京都立大学 中林一樹名誉教授「タワーマンションも含めて、地震のときには壊れはしないけれど揺れるんだということと、その揺れに伴って、エレベーターは止まってしまう、ガスや電気、水道などの配管も弱くて切れてしまう可能性がある」

■地震で停電 エレベーターも停止…タワーマンションの備えは?

約2500人が暮らす東京・港区にある48階建てのタワーマンション。地震発生後、停電などでエレベーターが使えなくなることが想定されます。

大人が1日に必要な3リットルの水が入ったペットボトルを持って、記者が階段を上ります。目指すは48階。内階段には空調はなく、真夏であれば、さらに体力を奪います。

記者
「最上階の48階に着きました。めっちゃしんどい。かなりきついです。ちょっと・・・喋れない、ですね」

地上と往復が困難になることから、管理組合では、在宅で一定期間避難できるよう対策を進めています。

芝浦アイランドケープタワー・防災チームメンバー
「安否確認のためのマグネットを管理組合が作って、各住戸に配布しています。助けてほしい場合、【HELP たすけて】と書かれたマグネットをドアに貼っておきます。この階の住人がマンションの本部に連絡する」

けが人を階段で運ぶためのストレッチャーも用意しています。

都の被害想定では、停電によって空調が使用できず、熱中症や脱水状態になったり、冬であれば、寒さで体調を崩したりする可能性も示されています。

■453万人の帰宅困難者 スマホへの懸念も

帰宅困難者については、10年前と比べ、テレワークの普及などの理由から1割程度減っていますが、それでも想定では、約453万人にのぼります。

一方で10年前と比べ、大幅に普及したスマートフォンへの懸念も。

想定では、アクセスの集中や電池切れによって、家族同士の安否確認が困難になるとされるほか、計画停電などで、長期に渡り思うような充電ができない可能性も指摘されています。

■高齢化進む地域 自助・共助・公助と、もう一つ大切なことは?

首都直下地震で最も被害が出ると
想定されたのが、木造住宅が密集している地域です。

以前より住宅密集地域は減少傾向にあるものの、想定死者数の約4割にあたる2482人が火災によるものです。

一度火災が発生すれば、一気に広範囲に延焼。規模が大きくなれば、炎をまとった巨大なつむじ風=火災旋風が発生する懸念もあります。

例えば、東京・足立区には木造家屋が密集する地域があります。こうした地域は高齢化が進み、地震による火災などで被害が拡大…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220526-6020042


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