今の日本へ・・・真鍋氏「もっと好奇心で進める研究を」(2021年10月6日)

2021/10/07 に公開
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ノーベル物理学賞の受賞が決まった真鍋淑郎さん(90)が、長年、研究を続けてきたアメリカ・プリンストン大学で、会見を開きました。
米プリンストン大学上級研究員・真鍋淑郎さん:「(Q.なぜ日本からアメリカ国籍に変えた?)興味深い質問です。日本人は、いつも互いに迷惑をかけまいと気をつかいます。とても協調的な関係を結ぼうとします。日本人が互いにうまくやっていける大きな理由が、そこにあります。アメリカで、私は好きなことができる。周囲がどう感じているかは気にしない。人を傷つけたいとは思わないが、他人の考えを観察したりもしない。アメリカでの暮らしは素晴らしい。私のような研究者は、やりたいように研究ができる。上司は私の好きにさせてくれた。コンピューターは使いたい放題、何をしてもよかった。日本に帰らない理由の一つは、そこにあります。私は協調しながら生きることができない」

会見後には、パーティーも開かれました。
気候変動を研究する学生:「彼はまさに気候変動研究の“祖父”です。この分野の基礎を作りあげた人なのです。不平等、ジェンダー多様性、経済など、様々な社会問題の研究に、科学界と社会が一緒に取り組むようになっていくと信じています」

祝福ムードに包まれる一方、真鍋さんは、今の日本に向けた、厳しい言葉も口にしました。
米プリンストン大学上級研究員・真鍋淑郎さん:「最近の日本の研究は、好奇心を原動力にした研究が、以前より少なくなっています。日本の教育をどう改善するか、考えてくれることを切に願います。日本では、科学者が政策決定者に助言するための手段、つまり両者を結ぶチャンネルを通じて、コミュニケーションを取っていないのです。
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