自分の気持ちを言えない人の特徴と解決方法

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自分の気持ちを言えない人の特徴と解決方法

00:00 OP
01:17 自分の問題の場合
09:30 相手の問題
11:21 その他の問題
12:42 理解じゃなくて解決してほしい?
14:24 若い人は?
18:02 雰囲気づくり

本日は「自分の気持ちが言えない人の特徴および治療法」というテーマでお話しします。

社交不安障害、回避性パーソナリティ障害、発達障害の人が多いかなと思います、自分の気持ちが言えないという人は。
主に「超自我が強い」と言われたりします。

こうあらねばならない、こうしなきゃいけない、という人たちは、自分の気持ちを言えなかったり、怯えきっている人、相手のことがよくわからなくて、怯えきってる人もなかなか言えないと思います。

自分の気持ちを言えない人にどういう問題が多いのか、ということを要素分解してみて、それらについて一言ずつコメントしていきます。

まず、自分の気持ちが言えない理由を3つに分けました。

1つ目は自分。
自分の問題で、自分の気持ちが言えない。

次は相手。
相手の問題のせいで、相手の影響で自分の気持ちが言えない。

あとその他です。
状況の問題によって、状況が気持ちを言わせないようにしている。

という3つに分けました。

■自分の問題の場合

自分の問題というと、どういう問題があるのか。

色々な分け方があると思いますが、科学的な分け方ではなく雑に分けているだけなんですけど、1つは抑うつ、うつっぽい感じです。
うつ状態のような形で、自分の気持ちが言えなくなっている。

次は神経症的な問題、あと不安の問題、そういうことから自分の気持ちが言えなくなっている。

そして最後は能力的な問題、知的な問題やパーソナリティの問題から自分の気持ちを言えなくなるという3つに分けてみました。

なんとか病ではないです。
そういう要素の話です。

うつ状態とかそういう病的なものであった場合は、病的な症状の回復を待てば自分の気持ちが言えるようになります。
うつ病でうつ状態がひどくて、思考制止や意欲低下がある場合、自分の気持ちを言おうと思っても頭が回らないので言えないですね。
ということは、うつを回復させた方が早いんです。

そういう時にカウンセリングをしてもあまり意味がなくて、どちらかと薬と療養で回復するのを待つんです。
回復したらそもそも喋れるようになったりしますから。
そういう時にはカウンセリングをせずに、まずは病的な症状を回復させましょうよ、ということになります。

次に神経症的な問題です。
それは主に2つに分けられるのかなと思います。
トラウマの問題、そういう記憶があって、その記憶に支配されているから自分の気持ちが言えないというパターン。

あとは逃げちゃうパターンです。
不安だから逃げてしまう、逃げてしまうので失敗や経験が足りないから、どんどん自分の中の妄想というか、自分の中の思いが広がって、あれをやったら失敗するかも、あれをやったら怖いかも、ということでがんじがらめになって動けないパターンがあります。

記憶によってがんじがらめになって言えないのであれば、やはり記憶の問題を解決していく。
記憶というものをもう一回語り直すことで、あれはああだったんだね、あれはこうだったかもね、あれはあなたの問題じゃなくて相手の問題だったよね、あれは親がそうだったから、他の大人はそんなことないよ、とそういう現実見当識を訂正していく。
そういう認知の歪みを修正していくことでやっていくというのが治療になります。

人間というものがどういうものなのか、ということの学び直しです。
そういうことによって、人間ってそんなに怖くないな、じゃあ自分の気持ちを言っても大丈夫だな、ということを学ぶということがあります。

あとは回避している回避性パーソナリティ障害や社交不安障害の問題であれば、そもそも経験や失敗が足りないので、失敗しても大丈夫という経験を積むということです。

成功しようと思ったら、100%の成功はあり得ないので、失敗しないと成功できないわけです。
失敗しないとというか、成功を狙おうと思ったら必然的に失敗もついてくるんです、確率的に。

ある程度割り切って、3割程度の成功で良しとするのか、9割成功しないと良しとしないのかはわからないですし挑戦する類いによって変わると思いますが、まずそういうところを見直して、ああそれは大丈夫なんだな、じゃあ一緒に頑張ってみよう、落ち着いてやってみよう、失敗するかもしれないけれども、中長期的に考えて最終的には成功で収束するのでやっていこう、ということです。

1回1回で考えたら良いも悪いもあります。
ポケモンだってそうだし、ギャンブルだってそうだし、パチンコだってそうだし、マージャンだってそうです。

だけどだんだん収束していきます。確率というのは。回数を重ねていけば。
そういうことを受け入れていく、そして人間というのはどういうものかを知っていくということで自分の意見を言えるようになります。

最後に能力の問題です。
残酷ですけれども、やはり知的な能力の問題で言えないというのがあります。
例えば、集中力がない、整理ができない、自分が喋ろうと思ってもごちゃごちゃになっちゃう、もともと整理されていないので、自分の考えがパッと言えないということです。

このパターンがある場合は、そもそもあなたは会話の前に、自分の気持ちを喋る前に予習してきてますか、ということです。
「トークのおみやげ作ってますか」というのはヤツですね、さんまさんがよく言いますけど。お土産がないんだよね。

僕もそうです。
人と喋る前に、この人とこんな話しようかな、こういう話が来たらこうしようかな、と予習をしているんです、頭の中で。

ぶっつけ本番で喋っているといつも言いますけど、本当にぶっつけ本番で喋ってるわけじゃなくて、ああ来たらこう言おう、こう来たらこうだな、事前に考えています。
それをやっていないとできないよね。

だから準備しておく。
こういうことが来たらこう喋ってみよう、そういう準備は結構大事だったりするので、そういうトレーニングをしていけば、自分の気持ちを言いやすくなると思います。

国語力の問題があります。
単純に自分の気持ちを表現する国語力がない、デッサンする力がないということです。
スケッチの回数がそもそも足りないんです。

私はこの絵を描きたい、こういうことを描きたい、スケッチしたいと言ったら、何度も何度も絵で表現したいと思ったら描きますよね?
スケッチしていくじゃないですか。
デッサンの練習をするじゃないですか。

それと同じで、デッサン力というかスケッチ力は大事で、何かを表現する。
無秩序なものですよ、自分の気持ちというのは。
自分の気持ちというのはなかなか言えないし、学習された成果でもあったりするので、感情というのは。

だから学習していないとダメなんだよね。
一般常識というのは大事です。リテラシー。
色々な知識がないと自分の気持ちや今の自分の状況を説明する言葉が足りないので、やはり言葉を覚えていく、そして科学的な常識を身につけていくことが大事です。

常識を身につけていくことがとても重要だし、ロジカルな力、きちんと構造を組み立てる。
パパパッと喋っても相手には伝わらないので、上手い言い方をする。

自分の気持ちを強く伝えたいときには、「すごい痛いんです」だけじゃなくて、「痛いんだよね。本当になんだか身がよじれるくらい」みたいに倒置法を使うとか、比喩を使うとか、色々なことを駆使しないと伝わっていかないので、レトリックを学んだり、相手に伝わりやすいようにロジカルに伝える、そういうことも大事です。

あとは言い間違いをしないということです。
僕もそうなんだけれども、発達傾向がある人は言い間違いが多いんです。

自分はそんなつもりなかったのに、と言っても、相手は言葉でしか通じないので、言葉が最初から違うと伝わるものも伝わりませんから、やっぱり言い間違いを減らしていくというのもとても重要だったりします。

狙った球を投げてないというか。
そんな気持ちではないのに、精神科医なんだから私の気持ちわかるでしょう? ちゃんと言えなくたって伝わるのが精神科医なんじゃないの? と言ったり、親子なんだからわかるでしょう? 言わなくたってわかるでしょう? 恋人なんだから、好き同士なんだから、と言いますけど、知識があるから、一緒に経験してきた背景があるから予測はつくけれども、でもやっぱり言葉が違ったら、言っていることが違ったら理解しがたいです。

それはそういうものですから。
言葉が違うのを理解しろというのは無茶なので、そういうことです。
知的な問題や発達の問題があるのであれば、やっぱり練習とか国語力をつけるということも大事だなと思います。

■相手の問題

じゃあ全部自分の問題かというと、会話は人とやるものなので、そもそも相手の問題だったりすることもあるのです。

自分はちゃんとやっているけれど、相手に整理する力がなかった場合は勘違いされるし、相手に国語力がなかったら勘違いされるし、相手がトラウマがあったり不安があったりして、こちらがちゃんとロジカルに伝えても全然別の解釈しちゃう、別のポイントに引っかかって、きちんと全体の文章を聞き取れないということがあります。

これは結構大きいんですよ。
国語のセンター試験(共通テスト)で100点満点取れる人はほとんどいないので。

何となくみんな雰囲気で喋っているだけで意外ときちんとわかっていません。
Twitterを見ていても、ちゃんと文章を読めていない人が多いと言うじゃないですか。Twitterでさえそうだから、ましてやもっと長い文章は絶対わからないですよ。本当に思いますね。
それは国語力だけの問題じゃなくてトラウマや人格の問題だったり、抑うつなどの問題もあると思いますけど、そういうのがあります。

ある患者さんが「益田先生の動画のコメント欄や感想を見ていると、なんでこの人はこんな感想を言うんですか」と聞いてくることもあるんです。
そしたら僕は「動画見ずにタイトルとサムネだけで答えてるからだよ」と言ったりします。

煽りタイトルだけで評価してコメントを書き始める、と言ったりしています。
そうするとその患者さんも「ああ、わかります。私も動画見ずにコメントばかり読んでコメント書いてます」と言ったりして、「なんじゃそりゃ」みたいなことを言ったりしてます。
まあそんなもんです。

相手は自分ほど自分の気持ちに関心ないですからね、そもそも。

■その他の問題

概要欄続き
https://wasedamental.com/youtubemovie/7128/#c01

#早稲田メンタルクリニック #精神科医 #益田裕介