東京より大阪より「福岡」 ソウルで一番人気の旅行先に 「円安」「水際緩和」で海外インバウンド急増

2022/10/19 に公開
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全国旅行支援と合わせて水際対策が緩和され、1日の入国者数の制限が撤廃されました。福岡には、韓国からの観光客の姿も多く見られるようなりました。福岡のどんな場所を訪れているのか、旅行客を取材しました。


◆ソウルで一番人気は福岡
先週、福岡空港国際線には多くの韓国人観光客の姿が見られました。なぜ、福岡を選んだのか聞いてみると……。

カップルの男性「最初の予定は韓国の済州島でしたが、日本でビザなし旅行が再開されたので済州島をキャンセルして、福岡にしました」
男性「福岡はおいしい店が多いので、歩き回る予定です。うどんや寿司の有名店はあらかじめ全部調べてきました」

ソウルの旅行代理店では9月、日本への旅行の申し込みが8月と比べて5.3倍に急増しています。人気の旅行先は福岡・大阪・東京の順番です。

「すごく久しぶりです。ビザなしになったので、来ました」

「福岡は2回目で、他の3人は初めてです。大学の授業が休みになったので来ました」


◆韓国人に人気のお店は
韓国人観光客は、福岡で何を楽しんでいるのでしょうか。ホテルでチェックインを済ませた後、少し遅めのお昼ご飯。訪れたのは、大濠公園の近くにある行列ができるうどん店です。讃岐うどん「志成」は、ミシュランガイドにも掲載されている人気店です。しっかりしたコシのある麺が特徴の、ぶっかけうどんを味わいます。取材をしていると、さらに別の韓国人観光客が来店しました。

「今回は1人旅、1週間の旅行です。旅費もそんなにかからないのに、外国にいるのが感じられます。そして円安ですし(笑)」

うどん店の店主も、インバウンドの復活に期待を寄せています。

「全然、英語も韓国語もメニューが対応してないんです。以前だいぶ増えて対応しようかなってところでコロナになってしまったので。今後は対応を考えていきたいと思っています」

ところで、なぜこのうどんを食べに来たのか理由を聞いたところ――。

「ユーチューブで見たんです。『福岡おじさん』、いろんなおいしいお店を紹介しています」


◆福岡からYouTubeで情報を韓国に
こちらがユーチューブチャンネル「福岡アジョシ(おじさん)」。福岡市に住んでいる日本人が動画を制作。韓国語のナレーションと字幕で、福岡の旬の話題やディープな情報を伝えていて、約130本の動画が投稿されています。

冨永拓馬さん「最近はすぐに使える情報がほしいから、(韓国の方に)見ていただいていると思う。ここ1か月前後で圧倒的に(再生回数が)増えています。外国人観光客が普段行けるエリアの、1~2歩先まで突っ込んでお店を紹介したり。ガイドブックに載らないレベルの穴場スポットやおいしい店とかも紹介できているかな」


◆福岡の旅の目的は?
RKB池尻和佳子アナ:韓国人の旅行客に、福岡の旅の目的を聞きました。やはり食事を楽しみにしている方が非常に多いようです。ご紹介したうどん店のほかに「回転寿司を食べた」という人もいました。旅行客は「ビザも免除され、旅費もそんなにかからない」と話していました。他にも、ライトアップした福岡タワーを見たり、キャナルシティ博多で買い物したりする人や、電車を使って大分の温泉に行ったり、新幹線で長崎に行ったりと、福岡を拠点に九州を動いている人が多いようです。観光客が戻ってきたことから、屋台や商業施設も外国人向けの接客を強化しています。


◆屋台で通訳アプリやスマホ決済も
10月14日金曜日、天神地区で店を構える屋台です。この日はフィリピンからの観光客が訪れていました。

「フィリピンから来ました。4年ぶり」「おいしいです」

こちらの屋台では、多言語に対応したメニューや通訳アプリなど、外国人観光客への対応を進めてきました。

屋台喜柳 迎敬之店主「1日2組ぐらいかな。だんだん戻りつつあるね。本当に待ちわびとるよ」


◆多言語対応進める「ららぽーと」
ららぽーと福岡でも、多くの外国人観光客の姿が見られました。

ららぽーと福岡オペレーションセンター 八木沙織さん「団体のバスツアーがメインではありますが、アジアの観光客が多い印象です」

入店しているテナントでは、インバウンド向けにチラシは英語表記のものを準備。また、購入の際には、海外スマートフォンの決裁にも対応できるようにしています。ららぽーと福岡では、多言語での案内板やパンフレットを準備したほか、両替ディスペンサーや海外口座対応のATMなども設置しています。

ららぽーと福岡オペレーションセンター 八木沙織さん「元々インバウンドに強いエリアと認識しておりますので、規制緩和をフックに多くの方にご来場いただけることを期待しています」