【ソ連軍歌】赤軍に勝るものなし【日本語字幕】

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С новым годом! 明けましておめでとうございます。
今年最初の和訳動画はかの有名な Красная армия всех сильней(赤軍に勝るものなし) です。
ロシア内戦中の1920年に作られた曲でまだソヴィエト連邦が成立する前に作られたものです。
私の最も好きな音源を選んだのですが、この音源では1番→2番→1番というように繰り返されており、3番が歌われていません。
以下に歌詞の解説と共に3番の歌詞と和訳を掲載しておきます。

一番
赤軍に勝るものなし:世間一般的にこのタイトルが有名なので本動画もこれに倣っていますが、Красная армия всех сильней. は正確には「赤軍は何者にも勝る(The Red Army is stronger than all)」という意味です。だからどうということはありませんが。
白軍(белая армия):ロシア革命後からロシア内戦中に主に旧ロシア帝国軍の皇帝派や帝国派のコサックなどで構成された勢力。帝国そのものはもはやその統治能力を失っていたので白軍もまた全国で統一組織があったわけではなく、地方毎に旧帝国軍の将軍がそれぞれ赤軍に抵抗していた形になります。
なお、白軍とは赤軍と対比しての名称であり、レーニン率いる赤軍は旧帝国派のみならず急進派ボリシェヴィキに迎合しない穏健な社会主義勢力や、単なる共和制勢力をも総称して白軍と呼び対立していました。
黒い男爵(чёрный барон):旧ロシア帝国軍将校のピョートル=ウラーンゲリ(Пётр Врангель)のこと。動画で写真を載せている彼です。白軍屈指の将軍として名を馳せたことでこの歌にも登場します。黒い男爵とは黒いコサック式の軍服を着ていたこと、帝政時代彼が男爵であったことに由来します。
但し彼はバルト=ドイツ人(かつてバルト海沿岸地域に移住して来たドイツ人の子孫)の家系なので彼自身がコサックなわけではありません。
また、前述の通り白軍には旧帝政派のコサックが多く加わっていましたが、反対に赤軍に加わったコサック集団も数多くいるので必ずしもコサックが旧帝国派だったわけではありません。

二番
革命軍事評議会(реввоенсовет):正式には(諸)共和国革命軍事評議会(Революционный Военный Совет Республики)。1918年から1934年まで存在した、ボリシェヴィキ(後にソヴィエト連邦)の最高軍事機関のこと。ロシア内戦中はまだソ連は国家として成立していませんでしたが、内戦を戦うためには赤軍を統率するための組織が必要だったため作られたもの。評議会の名の通り、合議制組織であり、共産党中央委員会によって選ばれた議員によって運営されていました。初代議長はレフ=トロツキー。

三番歌詞と和訳
Мы разжигаем пожар мировой,
Церкви и тюрьмы сравняем с землёй.
Ведь от тайги до британских морей
Красная Армия всех сильней!
我々は世界の(革命の)戦火を焚きつける
教会と牢獄をこの大地から消し去るのだ
タイガから英国への海に至るまで
赤軍に勝るものはいないのだから