真下接地の極意:ブレーキを減らせば速く走れる?

2021/07/16 に公開
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陸上の指導時によく耳にする「真下接地」という言葉。

「地面を真下に踏むようにして、無駄なブレーキをかけないように」「身体の真下に足を着くようにして、無駄な上下動を少なくする」などの意図で使われることが多いのではないでしょうか?つまり、目的の動きを修正したいときに使われる指導言語です。

しかし、「真下接地!真下接地!」と言われただけでは、何をどうすればいいのか良く分からない、何か変わった気がするけど、これが正しい変化なのか不明だ・・・という選手も少なくないはずです。

そこでここでは、巷で言われる「真下接地」という言葉に対して、以下の点から考えていくことにしてみました。今後のトレーニングを考える際の材料にして頂けると嬉しいです。


〇プロフィール
尾﨑雄祐:博士(教育学)、JAAFジュニアコーチ
400mH:PB50"00(長崎県記録)
広島大学陸上競技部コーチ
PEACE ACコーチ
日本建設工業AC福部真子コーチ

〇陸上競技の理論と実践~Sprint & Conditioning
https://sprint-condition.info/

〇2023年度からの中高クラス選手を募集中(広島市&東広島市)【PEACE AC】
http://peace-rikujo.com/category9/entry19.html



動画内の参考文献
・豊嶋陵司, & 桜井伸二. (2018). 短距離走の最大速度局面における遊脚キネティクスとピッチおよびストライドとの関係. 体育学研究, 17008.
・井上雄太. 短距離走における疾走速度と減速との関係―身体の起こし回転運動に着目して―. 平成24年度 修士論文 抄録 , 愛知教育大学保健体育講座研究紀要. 2012, 37, p. 70-72.
・福田厚治, & 伊藤章. (2004). 最高疾走速度と接地期の身体重心の水平速度の減速・加速: 接地による減速を減らすことで最高疾走速度は高められるか. 体育学研究, 49(1), 29-39.
・Giorgios P Paradisis, Athanassios Bissas, Panagiotis Pappas, Elias Zacharogiannis, Apostolos Theodorou & Olivier Girard (2019) Sprint mechanical differences at maximal running speed: Effects of performance level, Journal of Sports Sciences, 37:17, 2026-2036, DOI: 10.1080/02640414.2019.1616958
・遠藤俊典, 宮下憲, & 尾縣貢. (2008). 100 m 走後半の速度低下に対する下肢関節のキネティクス的要因の影響. 体育学研究, 53(2), 477-490.
・Colyer et al. (2018): Kinetic demands of sprinting shift across the acceleration phase: novel analysis of entire force waveforms. Scandinavian journal of medicine & science in sports, 28(7), 1784-1792.