「サケを獲ることは先住民族の権利」アイヌ民族の先住権の確認求める裁判 原告の請求を棄却 札幌地裁

2024/04/18 に公開
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北海道・浦幌町のアイヌ民族の団体が川でサケを獲ることは先住民族の権利だとして国などを訴えていた裁判。先住権の確認を求める訴訟は全国初でしたが、札幌地裁は原告の訴えを退けました。

井口七海記者)
「原告団が、今札幌地裁に入っていきます。提訴からおよそ3年半、司法の判断がこの後下されます」。

アイヌの人たちにとって、サケは神が宿る生き物であり主食となる特別な魚です。昔はサケを自由に獲って暮らしていましたが、現在、川で許可なくサケを獲ることは水産資源保護法で禁止されています。

ラポロアイヌネイション長根弘喜さん)
「自分達の手で堂々とサケを捕獲したい」

原告は浦幌町に住むアイヌ民族の団体「ラポロアイヌネイション」。川でのサケの捕獲はアイヌ民族の「先住権」にあたり、法などで禁止されないとして国と道を訴えました。

先住権とはその土地に住む先住民族が暮らしてきた場所や慣習に対する権利で、海外では、先住民が狩りなどを行う権利を保障している国も少なくありません。今回、原告らが求めているのは浦幌十勝川河口での自由なサケ漁です。

ラポロアイヌネイション差間正樹さん)
「私たちは先祖と同じようにここで漁業をやる権利があるんだよと」。

訴状によりますと原告らの先祖はこの流域でサケ漁を行ってきましたが、和人による北海道開拓の過程でサケ漁が禁止されたとしています。一方、被告の国などは「法制度上の根拠が無い」として訴えの棄却を求めています。先住権は認められるのか。注目が集まった18日の判決。

札幌地裁の小野瀬昭裁判長は「固有の財産権として排他的に漁業を営む権利を有すると認めるのは困難」とする判決を読み上げ、原告側の請求を棄却しました。

ラポロアイヌネイション差間啓全さん)
「率直に言ってこの判決は私は不服に思います。これからも裁判は続きますが、こんな判決で私たちの気持ちは覆ることはありません」。

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