講義「言語学入門(前編)」(柴谷方良)/言語学レクチャーシリーズVol.14

視聴回数 15,242
0
0
国立国語研究所 言語学レクチャーシリーズVol.14の前編です。言語学の専門的な内容等について学ぶことができる動画教材として、ぜひご活用ください。

後編を見る ≫≫
https://youtu.be/gypKhYKPZPE

■ 講師:柴谷方良(神戸大学名誉教授,ライス大学 Deedee McMurtry Professor Emeritus of Linguistics)

■ 内容:
講義の構成

言語学入門―言語学者は何を,なぜ,どのように研究するのか―
(前編)

1. 何を研究するのか?
・研究対象
・研究目標:「人類言語」を定義する,すなわち可能な人類言語の範囲・境界を見極める
・具体例:
- 母音体系の世界的分布
- 広く見られる母音体系
- 母音体系の可能な変異(variation)
・人類言語を定義づける:様々な領域

2. なぜ言語を研究するのか?
・人とは何か?
- 人間は,他の生き物といかに違うのか?
・言葉を使うのは人間だけか?
- 「言語は種特有(species specific)で,種均一(species uniform)」の意味
・動物「言語」と人類言語―文法の相違―
- 動物「言語」の文法と人類言語のそれとはどのように違うのだろうか?
- ハチミツダンス
- 小鳥のさえずり
- 人間とチンパンジーとの違い
・チョムスキーの「言語機能」仮説
・「心の科学」における言語学の位置

言語学入門―言語学者は何を,なぜ,どのように研究するのか―
(後編)

3. どのように,言語を研究するのか?
・様々な研究領域
- 言語についての様々な,往々にして素朴な疑問につき動かされて,
いろいろな分野が定められ,それぞれの領域の研究方法が開発されてきた
・言語学の中心課題:文法論
- なぜ,「文法論」が言語学の中心課題なのか?

4. 文法って何?
・「文法(grammar)」:二つの意味
・ブラックボックスとしての文法
・文法を構成している各部門
- 文法を構成している各部門はそれぞれどのように関わり合っているのか?
・構造主義 対 機能主義
・統語構造の自律性?
- 統語構造の文法的適格性は,意味から独立して決められるか?
- 文の意味は,統語構造そのものとともに,発話を取り巻く世界(コンテクスト)によって支えられている
・よりローカルな意味とコンテクストの関わり
- 文脈と意味解釈
・文法とコンテクスト
- 統語構造と社会的コンテクスト(話者集団)
- 社会的・文体的コンテクストと音声
- 文法は,それ自体が閉ざされたシステムでなく,我々を取り巻くコンテクストと関わり合いながら機能し,変化・発達していく柔軟な心的伝達知識体系である

5.結語

■ 再生リスト:「言語学レクチャーシリーズ(試験版)」
https://youtube.com/playlist?list=PLZfZgVvFbh1a3zOK9Z2OJk6mA0olmcw3u

#言語学レクチャーシリーズ
#言語学
#言語学入門
#文法
#柴谷方良