【職人の大半はママ】思い出のランドセルを大体リメイク カバンの街【兵庫・豊岡市】

2023/04/20 に公開
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22年前、ピカピカの1年生だった私の相棒は…
当時は珍しかったキャメル色のランドセル。
売り場で一目ぼれして、両親に買ってもらいました。
思い出の詰まったランドセルが、どう生まれ変わるのか。
伺ったのは、かつて国内生産シェア8割を占めた
カバンの街、兵庫県・豊岡市。バス停も、カバンです。
今年で創業48年のカバンメーカー、コニーを訪ねました。
社長「こちらがランドセルリメイクの工房です」
ランドセルのリメイクサービス、
その名も「恩返し工房 REBACK」。
去年の10月末に始まったばかりの新規事業です。
「いろんなカバンのノウハウを今まで勉強してきましたので/それを生かした『自分が持ちたい』と思えるようなカバンをうちだったら作っていけるんじゃないかなと思って」
現在、リメイクメニューは全9種類。
スマホなどを入れるケースなどの小物から…
ボディバッグやポーチ。この中から1つ好みの商品を
選ぶんですが、デザイン・機能性ともに
カバンメーカーならではのノウハウが詰まっています。
たとえばこのリュックサック。
「これは飾りといいますか…/フラップというかフタになります。でここにファスナーがあって、これがマグネットで止まっている」
背面や肩のベルトは、大胆にランドセルをそのまま使用。
懐かしいパーツを残しながらも、
あくまで普段使いに便利なようにと、
本家のランドセルにも負けない、たっぷりの収納力です。
さらに、様々な色のランドセルに対応できるよう、
布部分やベルトなどは好みのカラーを選べます。
「お疲れさまでーす」
この日も、お客さんから思い出の詰まった
ランドセルが届きました。
「あぁわりかし、全然きれいに使ってもらってる」
今回の依頼は、長財布やスマホも入る、
ボディバッグへのリメイク。
傷やシミはないか。革の状態を見ながら、
型紙を当てていきます。
「大丈夫?いける?」「はい、ぬいしろも入る」
6年間使えるよう、丈夫にぬわれているランドセル。
職人さんは一本ずつ糸を切って解体していきます。
「(糸を切る音)パチン!パチン!」
Q結構力がいる作業?「すごく力がいる」
Qこれだけ指先に力を入れていたらお昼休みとか…
「震えてますw」
最大限、無駄なく革を使えるように型を並べ、
プレス機で切り抜く、裁断の作業。
「(ランドセルの)サイズもいろいろあるので、
カツカツで取らないといけない物もある」
Q神経を使う作業?
「そうですねここ重要ですね」「失敗ができないので…」
ガッチャン!ガッチャン! 2回ぐらい
「いけました!」
切り抜いた後はご覧のとおり…お見事です!
♪ピンポーン
ランドセルリメイク工房に、お昼が来ましたー!
「普通のごはんなんですけどw」
「お弁当紹介とかないですよね?」軽くだけ…
「それはちょっと待って!w」
みなさんすでにお気づきかも知れませんが、
ランドセルリメイクの職人さんはほとんどが女性。
さらに、ある共通点があるといいます。
西「(小学)4年生と長男が2年生」
田結庄「(小学)6年生と4年生と」
職人さんの大半は、小学生のお子さんをもつママさんたち。
浅田「引っ越しで処分しちゃったんですよ上2人とも。だからこういうのがあったら残しといたらよかったなと」
西「処分しづらいよね」浅田「そう」
山下「しかもそのまま置いてると(革が)劣化しちゃうんで。早いうちに何かに作り替えちゃった方がよかったなって」
田結庄「ランドセルが届いたときに(子どもが)『見て見てー』って言いに来たときの顔、おじいちゃんおばあちゃんの笑顔」
野村「ランドセルの特徴的な刺しゅうが入っているところはなるべく使ってあげたいとか/私も完成したときは思い入れがすごい…人の物なのに」
ダダダダダ…
思いを込めて仕立て直される、思いのこもったランドセル。単なるカバンのリメイクではない、
もうひとつの狙いが、この工房にはありました。
「『(ランドセルは)誰が買ってくれた?』と聞くと圧倒的におじいちゃんおばあちゃん/『あの時はありがとう』と/自分たちが6年間使ったランドセルをリメイクして、おじいちゃんおばあちゃんが使えるようなカバンに生まれ変わらせてもいいんじゃないかなと」
買ってくれた人、成長を見守ってくれた人に、
恩返しのリメイクプレゼント。
それがこの取り組みのコンセプトです。
「そもそものきっかけはSDG’s/じゃぁ私たちに何ができるのかと考えたときに、カバンの製造業として/カバンとかその思いとかをつなげていくことがSDG’sの活動になるんじゃないかなと思っています」
ランドセルと、そこに込められた思い。
恩返しとして喜びをリレーする取り組みが、
カバンの街で始まっています。