【冨山和彦×髙橋誠×松尾豊】経営者に求められる、生成AIへの対応力とは/生成AI革命で、ホワイトカラーの仕事はなくなる/人間はAIに理想的な姿を求めすぎている

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G1経営者会議2023 第1部全体会
「生成AI時代における経営者のリーダーシップ」髙橋誠×冨山和彦×松尾豊×秋山咲恵
(2023年11月23日開催/グロービス経営大学院 東京校)

急速に進化する生成AIは、ビジネスに新たなイノベーションやチャンスをもたらす可能性を大いに秘めている。経営者は、日々高度化するこの技術を経営に活かし企業競争力向上に繋げることが求められている。生成AIは、経営の景色を変えるのか。経営者はいかに最適解を決断し、実行するのか。日本を代表する経営者とAI研究の第一人者に迫る。(肩書きは2023年11月23日登壇当時のもの)
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✅冨山氏のこれまでの挑戦から学びたい方はコチラ
【リーダーの挑戦④ 冨山和彦氏(経営共創基盤グループ会長)】
https://hodai.globis.co.jp/courses/08541e18/?utm_source=youtube&utm_medium=chikenroku3&utm_campaign=g1_1218
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🔷冨山 和彦(株式会社経営共創基盤(IGPI) IGPIグループ会長/株式会日本共創プラットフォーム(JPiX) 代表取締役社長)
ボストンコンサルティンググループ、コーポレイトディレクション代表取締役を経て、2003年 産業再生機構設立時に参画しCOOに就任。解散後、2007年に経営共創基盤(IGPI)を設立し代表取締役CEO就任。2020年10月よりIGPIグループ会長。 2020年日本共創プラットフォーム(JPiX)設立。 パナソニックホールディングス社外取締役、メルカリ社外取締役。 日本取締役協会会長。内閣官房新しい資本主義実現会議有識者構成員、内閣府規制改革推進会議議長代理、内閣府税制調査会特別委員、金融庁スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議委員、国土交通省インフラメンテナンス国民会議会長、他政府関連委員多数。

🔷髙橋 誠(KDDI株式会社 代表取締役社長 CEO)
1984年横浜国立大学工学部金属工学科卒、京セラ入社。同年、第二電電(現KDDI)入社。 2003年KDDI執行役員。07年取締役執行役員常務。10年代表取締役執行役員専務。 16年代表取締役執行役員副社長。18年4月代表取締役社長(現職)。23年4月CEO(現職)。

🔷松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科 教授)
2002年東京大学大学院工学系研究科電子情報工学博士課程修了。博士(工学)。産業技術総合研究所研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2007年より東京大学大学院工学系研究科准教授。2019年より同教授。専門分野は、人工知能、深層学習、ウェブマイニング。2020-2022年、人工知能学会理事。2017年より日本ディープラーニング協会理事長。2019年よりソフトバンクグループ社外取締役。2021年より新しい資本主義実現会議 有識者構成員。2023年よりAI戦略会議座長。

🔷秋山 咲恵(株式会社サキコーポレーション ファウンダー)
1994年株式会社サキコーポレーション創業。デジタル画像処理技術を応用した産業用自動検査ロボットメーカーとして世界市場でブランド確立。2018年社長退任。 ソニー株式会社、日本郵政株式会社、オリックス株式会社、三菱商事株式会社社外取締役。国立大学法人奈良女子大学工学部客員教授(起業論)
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00:00 オープニング
01:21 現在どのように生成AIを業務で使っているか(冨山氏、髙橋氏)
-これから何千万というホワイトカラーはいなくなる。決定的な差が付くので、規制している場合ではない。リーダーの仕事は価値判断。だから、プロンプトと意思決定は残る。
-KDDIでは全社員が使えるようにしている。オペレーターの訓練などに使っている。アメリカでは既に3割を解雇しているが、日本ではそれが出来ない。これからは50人採用したいとき、10人は生成AIで割り当てるといいのでは
07:41 思ったより進んでいる?進んでいない?(松尾氏)
-ちょうど1年前にG1経営者会議で生成AIの話をした。日本では今までになく早いペースで動いている。既にシンガポール国立大学では、パーソナライズドエデュケーションが実現されるまで、綿密な計画を立てている。日本企業でも導入していいかどうか、みたいなことを言っている場合ではない。
10:53 ルールメイクの方向について、どういう方向に進むべきか(冨山氏、松尾氏)
-生成AIを本質的に理解している人は限られているので、松尾氏のような人たちが世界でリードできるかが大事。最後は世界を統一する力が働く。日本の弱点は、ガラパゴスなルールを作ってしまう事。そうならないようにルールを作らないといけない。そのためにはグローバルロビイングが課題。ビジネスモデルを作る意味でも、ガラパゴスなルールを作ると海外展開できなくなってしまう。
-レギュレーションが入るというのは世界的に決まっていること。日本の中でどう実現していくのかが重要。イギリスでも主導権を取りに行く動きがあり、なかなか簡単にはいかない。
16:31 規制をかけている企業が一歩踏み出すには何が必要なのか(髙橋氏、冨山氏、松尾氏)
-新しい言語で変革が起る時、我々の常識で物事を考えてはいけない。まず導入してみる。
-モバイルインターネットの時、何が起こるか全くわからなかった。あとから役所が出てきて、規制をかける。なので、早く先に導入してしまった方がいい。日本人は、日本発のもとグローバルスタンダードのものだと、日本発の方に行きがち。日本人は付加価値を付けるのが上手いので、グローバルスタンダードに行ったほうが良い。
-日本のもうひとつの弱点は、ベンチャーエコシステムがまだそこまで強くない事。大企業はリスクをとれないので、スタートアップが大事。
-ここから先はやってはいけないゾーンを明示して、その内側ならやっていいという形にすればいいのではないか。
24:43 AIが世の中を変革していく可能性について(松尾氏、松尾氏、髙橋氏)
-生成AIを多段活用をする研究が進んでいる。大規模言語モデル(LLM)を活用した使い方も出来る。
-人間は嘘をつくし間違える。その事に対して寛容なのに、人間はAIには厳しい。なぜなのか。そういう風にAIを見てあげれば良いのではないか。
-人間を越えてしまったら倫理性が…と議論されるが、止まりなさいと言って止まる技術者を見たことがない。
-AIについて、神様になってもらえるような期待感を持っているのではないか。AIは人間社会の鑑。人間はコンテキストに依存して情報の正確性を気にする。
-今後は業態別に使いやすいLLMにファインチューニングしていく形になるのではないか。万能神は作れない。
-ChatGPTのようなものは公共財化していくべきなのか。
-みんなセーフティを求めるが、そのことでLLMの能力を制限することになる。そのリミットを外したものが出てきて、そこが格差になっていく可能性がある。
33:28 シェイン・グウ氏~今後我々はLLMをどのように考えるべきか
-推論、プログラミング、クリエイティビティ、使い分けの性能を上げるべきではないか。日々考えていることを言語に残してほしい。
-アメリカは分散しているし、ヨーロッパ全体も規制がかかっているので、日本はすごくチャンス。
40:00 今日の議論の中で、リマインドすべきこと(松尾氏、冨山氏、髙橋氏)
-サム・アルトマンがイリア・サケバに呼ばれて解雇されたが、結局戻ることになった。
-AIの会社はスーパーナレッジインテンシブ。人的資本の方が、株主資本より強い時代が来るのではないか。
-人的資本の代わりに生成AIだけが残る時代になるかもしれない。日本でも専門領域を明確にしないと生き残っていけなくなる。
-心と体で汗をかくエッセンシャルワーカーは人材不足。ホワイトカラーは余っている。ホワイトカラーから移動しないと回らなくなる。次のビジネス機会が生まれる。
52:50 質疑応答①
-今回のAIで新しいビジネスが生まれるのか。
-AIに持つのが哲学を持つこと。人間の哲学と生成AIをどのように結び付けていくべきか。
-経営者がいらなくならないために、リーダーはどのように成長すべきか。
01:06:01 「生成AI時代における経営者のリーダーシップ」とは?
-ホワイトカラー、全員リーダーたれ(冨山氏)
-とにかく使いましょう。(松尾氏)
-企業変革や事業変革と共に、With生成AI。(髙橋氏)

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