英野党幹部、使用禁止の単語で首相を非難 下院から退場命じられる

2022/02/01 に公開
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新型コロナウイルス対策の厳しいロックダウン中に、首相官邸や公邸で飲食を伴う集まりが繰り返し開かれたとされる問題で、内閣府は1月31日、事実関係を調べているベテラン公務員のスー・グレイ氏による途中経過報告を発表した。

グレイ氏は、ロンドン警視庁が官邸での複数の集まりについて捜査しているため、自らの調査内容の全容についてはまだ公表できないとした上で、「問題となっている集まりの少なくとも一部は、政府中枢で働く者に求められる高い規範だけでなく、当時のイギリス市民全員に求められた基準を守らなかったという深刻な違反」だったと指摘した。

これを受けたこの日の下院審議では、ボリス・ジョンソン首相に対する追及や辞任要求が相次ぎ、大荒れの展開になった。特にスコットランド国民党(SNP)のイアン・ブラックフォード院内総務は、ジョンソン首相が意図して議会をミスリードしたと発言した。

英下院では、議員同士がお互いに向けて使ってはならない「議会に不適切」な単語が複数、決められている。「卑怯者」、「馬鹿者」などの罵倒に加え、「liar(うそつき)」や「misled(ミスリードした)」という単語も、禁止されている。

この日の審議で、ブラックフォード院内総務はジョンソン首相について「misled」という単語を使用。首相が「うそをついた」とも述べた。リンジー・ホイル議長に制止され、発言を「意図せずしてミスリードした」に修正するよう再三求められたものの、「首相が真実を言うか信用できないとしても、それは私のせいじゃない」と突っぱねた。

このためホイル議長は遂に、「ただちに下院から退出するよう」命じた。

英下院では通常、審議中に閣僚がわざとうそをついたり、議会をミスリードしたりしたと発覚した場合、それは辞職・解任理由になる。議会をミスリードするとは、虚偽と知りながら議会に虚偽の情報を事実であるかのように提示し、誤った方向へ議会を導くことを意味する。


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