「走りたくても走れない」タクシー業界の深刻な人手不足…新型コロナ前から約2割減

2023/01/24 に公開
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新型コロナによる経済への影響です。「タクシーを呼ぼうとしてもなかなか捕まらない」、最近、そういう経験をされた人も多いのではないでしょうか。福岡市タクシー協会によると、運転手は新型コロナの流行前にくらべると約2割減り、深刻な人手不足に陥っています。


◆“タクシーがつかまらない”
「中洲で働いているんで、お客さんタクシーをつかまえるのが大変だったかもしれない。全然つかまえられなくて」「今ちょうどお客さんのところに行っていて、タクシー呼んでもらうときに電話したらいっぱいだったということがあった」

“タクシーがなかなかつかまらない”最近、みなさんもこういう経験ありませんか。一体、何が起きているのでしょう。福岡市城南区にあるタクシー会社を訪ねてみると・・・電話がひっきりなしに鳴り続けています。

昭和タクシーの担当者「すみません。全く空き車両がない状態で、近いお時間はお受けができないんですよ。申し訳ございません」

福岡昭和タクシー福岡事業部 上園晋吾係長「お客様からの問い合わせがかなり多くて、時間によってはかなりひっ迫した状況で、配車も大変な時間帯もあるので、次から次に電話切ったら次がかかってきてという状況で、問い合わせ・ご予約のご依頼が多くなっている」


◆“コロナ前の約8割の乗務員で” 
いまタクシー業界が直面している深刻な問題、それが・・・

福岡昭和タクシー管理部 平田泰信次長「コロナ禍から人がだいぶん減ってきていまして、人手不足がずっと続いている状況です。コロナ前でタクシーの乗務員が74人ほど、今は58人ですので、コロナ前からすると8割ぐらいの人数でやっている」

タクシーを手配してほしいという需要があるにもかかわらず、運転手を確保できないためタクシーを走らせることができないのです。

福岡昭和タクシー管理部 平田泰信次長「タクシーが歩合制になるので、そういった部分で他の業種に転職された方もいらっしゃいますし、タクシー業界は年齢層が高いので定年退職される方が増えているのも事実です」


◆約8400人→6700人
福岡市タクシー協会によると、協会に加盟する企業の運転手は、新型コロナが流行する前の2019年12月には約8400人でしたが、去年12月末には6700人と2割程度減少しています。この会社でも運転手を採用しても退職者が多く、なかなか運転手の数が増えない状況が続いています。

福岡昭和タクシー管理部 平田泰信次長「去年の1月から12月の間に、中途採用で運転手を24人ほど採用できたが、退職された方が20人ほどいたので4人増という形。コロナの感染が広がると売り上げの増減があるので、収入が安定しないというところで他の業界を選ばれる方が増えているのかなというのはあります」


◆燃料費の高騰が“追い打ち”
深刻な人手不足で車があっても思うように稼働できないタクシー会社に、燃料費の高騰が追い打ちをかけています。

福岡昭和タクシー管理部 平田泰信次長「運賃自体が認可制になりますので、自分たちで料金値上げができないものですから、ガソリン代、LPG代が上がると、そのまま経営の方に響いてしまう状況が続いている」

新型コロナによる行動制限がほぼ無くなり経済が再び動き始める中、人手不足のタクシー業界は「走りたくても走れない」という新たな問題に直面しています。