ラッパーとしてレコードデビューを夢見る、貧困家庭に生まれた白人の青年の葛藤を描いた、エミネム初主演作で彼の半自伝的作品『8 Mile』。フリースタイルMCバトルを勝ち抜いたラビット(エミネム)が、前回の優勝者である宿敵パパ・ドックとの決勝戦に臨むシーン。大一番のバトルビートはモブ・ディープの名曲「Shook Ones, Pt. II」。高度に韻を踏みながらもスヌープ・ドッグやモブ・ディープの一節を引用したり、トゥパックについて言及したりとヒップホップレジェンドたちへのリスペクトが垣間見れて胸熱なのですが、その上それまで作中で描かれてきたラビットが抱える鬱憤が全てマイクにぶつけられており、カタルシスが半端ないです。