ノーリツ エコジョーズ給湯器が故障!中和器寿命で給湯器交換40万円 920 930エラーのリセット方法

2022/02/09 に公開
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ノーリツの給湯器のリモコンに920エラーが表示されて点滅。中和器の寿命のエラーです。メーカーに連絡したら給湯器交換修理代40万円と言われた人もいる!故障していないけど放っておくと930エラーとなり、そうなったら給湯機能が停止すると?!そんなの寒いのに大変だ!
実際ノーリツのサービスに電話しましたがエラーの解除は中和器を交換しないかぎりできないと!10年以上前の給湯器だと交換部品の中和器が廃盤になっていて、給湯器ごと新品に交換するしかない、そしてその見積額は40万円!無理なら銭湯に行くしかないと言われた人もいます。そんなお金出せないです。
仕方がないので自分で、DIYでリモコンの操作をして中和器データの消去をしたところ、全く問題なくできました。もちろん0円です。えっ!?
メンテナンス情報モニターでエラーが解除できたことを確認。なんだよ!できるじゃないか。
故障履歴表示の仕方や消去の方法も説明します。

続編「中和器丸洗い」もよろしくお願いいたします。
https://youtu.be/_fce6pdAS8k
まったく、怒るでしかし。。。

なお、中和器のエラーとしては290エラーも多いですがこれはドレンホース等のつまりによるものです。凍結や汚れでつまるのでそれを解消すれば治ります。また、10年使用で888という有料点検督促エラーが出ますがこれは、電源ボタン5回連打で消えます。

給湯器はノーリツ GT-C2052AWXでエコジョーズ20型です。2012年12月製造で約9年使用しています。リモコンに920という数字が表示されて点滅しました。このエラーをリモコンの操作でリセットする方法です。

【中和器データの消去】
1.運転切の状態で電源プラグを抜いて10秒以上してからまた差し込む
 (10秒ではダメな場合、10分放置して差し込めばできたという人も居ます)
2.10分以内に操作を始める
3.運転ボタンを押さずに風呂自動スイッチを2秒以上押す
 設定項目番号が表示される
4.△を何回か押して40の表示にする
5.風呂自動スイッチを押して設定値を表示する
 (風呂自動スイッチを押すごとに項目番号と設定値の表示が切り替わる)
 初期値はof(off:カウント表示なし)と表示されている
6.△を5秒押して中和器データを消去する
 中和器カウントがクリアされ、onと表示される
7.運転スイッチを押して設定値を記憶する

【メンテナンス情報モニター、故障履歴表示の仕方】
1.△▽を同時に2秒押す
 メンテナンス情報モニタ
2.項目No.とメンテ情報コードが交互に表示される
 △で次の項目に移動
 ▽で前の項目に移動
 中和器カウントは項目13
3.項目No.91~98までは故障履歴を8個記憶している
 ▽で見ればよい 
 故障がない場合000と表示される
4.△▽を同時に2秒押してメンテ情報モニタを解除
5.運転スイッチを切って▽を5秒以上押す
 チャイムが鳴って故障履歴がクリアされる

★目次
00:00 920エラー、930エラー
00:35 ノーリツのサービスに電話してエラー解除の方法を聞く
01:51 自己責任でエラーを解除する
02:09 エラー解除の方法(中和器カウントのクリア)
03:45 ecoジョーズ給湯器に中和器が必要な理由
05:50 ドレンの排水のpHを調べて中和器が寿命なのか調べる
06:28 給湯器の中を調べてサービスマニュアルを探す
07:45 中和器の消去に関する部分を発見
08:41 メンテ情報モニターの表示
09:15 中和器カウントが121以上で930エラーとなる
11:09 920エラー、930エラーは時限故障装置 

★そもそも熱交換器で結露した直後の水は本当に強い酸性なのか?
中和器に入る前の結露水を採集してpHを測定してみました。
https://youtu.be/UXUlAHkXlCE
結果的にはpH5~6の弱酸性です。酢の物や果汁よりも弱い、健康な肌の表面と同じくらいの酸性です。

★では、そもそも中和器は必要なのか?
実際にエコジョーズという名称で潜熱回収型ガス給湯器が製品化されたのは2000年に高木産業(現在のパーパス)が製品化したのが最初です。製品化された当初2000年頃の都市ガス成分には硫黄が含まれておりSOxが排出されていました。それにより、ドレン水に硫酸が含まれてpHを下げていたと思います。硫酸は不揮発性の酸ですから水が蒸発することで濃縮されます。そこで、法的な問題は無いにせよ、エコをうたうような製品ならば排水に関しても気を遣うべきなので当時、ドレン水を炭酸カルシウムで中和してから排水するようにしました。これが中和器です。当初のメーカーの動機としてそれはまっとうなことだと思います。
ところが2007年以降の都市ガス成分には硫黄が含まれなくなりました。つまりドレンに硫酸が混じることはなくなったということです。エコジョーズの給湯器のドレン水のpHを下げる要因は、NOx由来のごく少量の硝酸だけになりました。その頃からずっとエコジョーズのドレン水は、私が最近測定したようにpH5~6の弱酸性であったはずです。そのまま排出したとして一体何の問題があるのでしょうか。例えばレモン果汁はpH3以下です。そのような低いpHの生活排水は家庭から日常的に排出されているのにそれよりもずっと弱い酸性のドレン水にpHとしての問題があるとは思えません。
私がいちばん言いたいことは、そもそも中和器は不要だということです。2000年頃の環境では中和器があった方が良かったと思うが、2007年頃以降、さらに今となっては中和器は不要だということです。中和器の洗浄をしましたが中和剤としての炭酸カルシウムはほとんど減っていませんでした。
https://youtu.be/_fce6pdAS8k
それはつまり中和するべき水素イオンがほとんどない、つまり中和する意味がないということです。中和器はいつまでも使える。さらに、そもそも論ですが私に言わせれば中和器をわざわざつけている意味は全くないということです。

★計画的陳腐化(Planned obsolescence)とポイボス・カルテル
動画では時限故障装置と言っていますが、商品が壊れていなくても一定期間が経過することで使用不能になるような仕組みをあらかじめ製造段階で組み込んでおく手法を計画的陳腐化と言うそうです。920エラーは寿命予告であり、給湯器の動作に問題ありませんが、そのまま放置すると930エラーとなり、給湯器に問題が無くても強制的に給湯機能を停止させます。さすがにこれはやりすぎだと思います。計画的陳腐化と言われても仕方のない作為的なエラーです。また、業界全体の申し合わせにより、同じ計画的陳腐化を仕込むことをポイボス・カルテルと言いますが、まさに920エラーや930エラーは給湯器各メーカー共通のエラーであり、ポイボス・カルテルと言えます。排気の熱を利用するエコジョーズはもともとパーパスという給湯器会社が開発しましたが、素晴らしい燃費のシステムであることからノーリツ、リンナイ、パロマ、長府製作所という国内主要ガス給湯器メーカーがそろってエコジョーズの給湯器を販売しています。もちろん良いシステムを共有することは良いことですが、計画的陳腐化と思われる920エラーや930エラーまでも完全に共有することはまさにポイボス・カルテルであり、給湯器業界の各メーカーがつるんで消費者の選択肢を狭めており、健全な市場を形成しているとは思えません。計画的陳腐化もポイボス・カルテルも1920年代からあるような利潤追求のための古典的な手法ですが、多くの情報がSNS等で瞬時に共有される現在では、もはや時代遅れと言われています。いまだにそういうことをやっている日本の製造業界の考え方は残念でなりません。最近でも島津タイマーが問題になりました。
日本には古くから「餅は餅屋」と言われるようにその道の専門家に対して敬意を持つべきであるという素晴らしい道徳観があります。物作りの職人さんはプライドを持ってその気持ちに応えるような仕事をしてきました。素人には到底真似のできない繊細で緻密な良い仕事をしてきました。ところが昨今、その道徳観に乗っかって「素人は手を出すな。」ということばかりが強調され、それをいいことにして素人を騙すようなメーカーの経営手法が目立つようになっていることも事実です。開発者は優秀で誠実です。だからこそ良い製品が作られています。しかし、それを商品として市場に出すときに詐欺まがいの販売をするような経営手法は製品の価値を台無しにします。計画的陳腐化やポイボス・カルテルはまさに素人である消費者を騙す行為であり、開発者の労苦にも泥を塗る行為です。それは長い間積み上げてきた財産である製造業に対する信頼を裏切ることであると思います。こうしたことが続けられれば結局のところ物作り産業の衰退につながっていくと思います。私が怒っているのはメーカーがユーザーを馬鹿扱いして選択肢を無くしていることです。メーカーは中和器の寿命が近付いたなら920のエラーを出せばよいだけのことです。そして、888エラーのようにリセットする方法も公表したうえでユーザーに選択してもらえばよいのです。例えば茶色い水垢で汚れている中和器を見せれば中和器を取り替えてほしいと思う人も多いと思うし、そろそろ10年使っているから給湯器ごと取り替えようと思う人も居ると思います。中には私のようにリセットだけで良いという人も居るかもしれませんがそれによるリスクも説明したうえならよいと思います。どうするか、ユーザーが選択すればよいのです。私が問題だと言っているのは930を出して、有無を言わせず強制的に中和器の交換か、給湯器の買い替えしかないと決めつけることです。開発者はそのような作為的なエラーを出せなどとは言わないと信じたいです。なぜなら開発する人は自分の頭で考えることが最も大切であるということを知っている人だからです。一番危険なことは恐怖をあおって選択肢を無くし、考えることをやめさせることです。それは霊感商法と全く同じやり方です。日本の物づくりの一流大企業がやる経営手法ではありません。
「信頼の日本製」「日本製だから安心」といったフレーズで宣伝するならば、決して消費者を騙すような方法で商品を販売してはならないです。願わくばメーカーは、日本の物づくり企業としてのプライドを持って消費者の信頼にこたえるような確かな商品を作り続けていってほしいと思います。
子供の頃から物を大事にしなさいとよく言われたものです。日本には一生使えるような良い物をいつまでも使い続ける文化があると思います。新製品の開発によって高度経済成長が支えられてきました。それは素晴らしいことでしたが同時に使い捨てを助長した負の側面もあると思います。例えば「はやぶさ」のように宇宙の彼方に放り出しても壊れない技術があるのに、地上の製品は10年で捨てなければならないことはないはずです。給湯器はもっと長持ちする良い製品のはずです。
修理する権利の法制化が欧米で進みつつあるそうです。消費者が製品の修理をする選択肢を増やせるよう、サービスマニュアルなど修理情報が公開されることや部品を合理的な価格で手に入れられるような環境を作ることに加えて、計画的陳腐化防止も必要だと言われています。修理する権利に関して、当初は消費者権利保護の意味合いが強かったのですが、欧州では2020年11月に欧州委員会が発表した循環型経済行動計画のテーマの一つにも位置付けられており、環境保護や循環型経済構築といった意味合いも濃くなっています。物作り産業が成熟した今、消耗品の取替や本体の修理をし続けることで、いつまでも使い続けることができるような製品を望みたいです。そしてそれが企業の経営を圧迫しないような産業構造に転換していく時期に来ているのではないかと思います。

#中和器エラー
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#エコジョーズ