小林製薬“紅麹サプリ”使用者憤り 診療相次ぐ…腎機能低下の患者も【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年3月28日)

2024/03/28 に公開
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小林製薬の紅麹(こうじ)を使ったサプリで、健康被害の報告が相次いている問題です。亡くなった2人が同じサプリを摂取していたことが分かりました。そのサプリを摂取して不安を抱えている人が、都内の病院に相次いで診察に訪れています。

■「紅麹コレステヘルプ」摂取の2人を取材

摂取していた女性(50代)
「小林製薬さんという、ちゃんとした製薬会社さんだったので。間違いはないかなと思い。全く健康被害とか疑いもしなかったので、良く分からないところ(会社)から買ったのではないと認識しているので、さらにショックというか」

 取材に応じたのは、健康被害が相次いでいる小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」を7カ月間、摂取し続けていた仙台市内の50代の女性。

摂取していた女性(50代)
「健康診断でコレステロールの数値が悪かったので、何かできることはないかと思った時に。(去年の)8月の中旬ぐらいから飲み始めていました。(定期購入で)毎月1袋づつ来ていて、ちょうど7カ月飲んでいます」
「(Q.最後に服用されたのはいつ?)本当に報道がある、その日まで」
「(Q.先週金曜日(22日)?)そうですね」

 健康被害が明るみになった22日まで、女性が毎日3粒ずつ摂取していた「紅麹コレステヘルプ」は、亡くなった2人も摂取していました。

摂取していた女性(50代)
「体調は今のところ感じないだけかもしれないけど、特に何も。日に日に大きなことになってきて、自分でもやっぱり血液検査した方がいいのかなと思うようになりましたね。(血液検査には)きょう(27日)行ってきました。結果はあす(28日)の午前中に出ると。ちょっとドキドキしていますね」

 この女性と同じように、「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた大阪の50代の男性も、きっかけは「健康診断」でした。

摂取していた男性(50代)
「会社の健康診断の数値で、少し悪玉コレステロールが高いという数字が出ていたので。小林製薬という有名なメーカーだったので買った感じですね」

 今月上旬から摂取を始めた男性も、ここ数日は、不安な日々を過ごしているといいます。

摂取していた男性(50代)
「きょう(27日)とかも2人目の死者が出たりとかして、やっぱりすごい怖いですね。なるべく早く病院に行って、血液検査をしてみようかなと思っているのですが」

■2年間摂取の患者…腎臓機能が低下

 紅麹サプリの報道を受け、不安を抱いた人たちが次々と診察に訪れています。

新橋日比谷通りクリニック 吉原秀樹院長
「今週に入ってうちは3名ですね。(紅麹サプリの)報道があったので、不安になって、いてもたってもいられなくなったんで調べてくださいと…」

 東京・新橋にあるクリニックでは、診察に来た3人とも「紅麹コレステヘルプ」を摂取していたと話していたといいます。そのうちの1人は、次のような様子だったといいます。

吉原院長
「体の倦怠(けんたい)感と、健康診断で腎臓の数値が高いということで、それを指摘され心配されて受診されましたね。紅麹(サプリ)そのものは、その患者様は約2年間ずっと毎日飲み続けたというふうに言っておりましたね」

 2年間、紅麹コレステヘルプを飲み続けてきた60代の女性患者は、コレステロール値は下がったものの、腎臓の機能がかなり低下していたといいます。

 今回、紅麹コレステヘルプを飲んで亡くなった2人も、1人は死因が急性腎不全。もう1人は検死で腎臓にダメージがあったと診断されています。

吉原秀樹院長
「今回の一件で、ずいぶんと患者さんって意外とサプリメントって飲んでるんだなっていう印象を受けて…。今回の報道を受けて、ますますその後不安になる方も当然増えますので、病院に行って念のため調べておこうっていうふうな受診行動を取る方は結構多い。これから増えていくことが予想されると思いますけど」

 厚生労働省によると、これまでにサプリを摂取して入院が確認されているのは106人。去年9月以降に製造された紅麹コレステヘルプを飲んだ人に偏っているといいます。

 大阪市は27日、問題が指摘されていた小林製薬の3つの製品について回収を命じる行政処分を出しました。

■利用者から…問い合わせ後絶たず

 この問題が明らかとなって29日で1週間。日を追うごとに、影響は広がり続けています。

 実際に健康被害が確認されているのはサプリだけですが、小林製薬の紅麹を原料として使っている会社は170社に上ります。

 愛知県小牧市にある製薬会社「山本漢方製薬」は、小林製薬の紅麹を使用し、製造していたサプリメントを25日から自主回収しています。

山本漢方製薬 吉田正敏顧問
「こちらに在庫の方が…」

 すべて使用禁止と大きな張り紙が貼られています。

 自主回収をしているのは「内脂ブロッカー」というサプリです。

吉田顧問
「(在庫の山は)1000(袋)ちょっと、1100(袋)前後になります。(損害額は)ざっと500万円以上は、多分かかってくるなというふうな予想…」

 現在までに購入者からの健康被害は確認されていませんが、自主回収の発表を受け、電話が鳴りやまず、職員が対応に追われています。

吉田顧問
「(Q.従業員もかなり(対応に)さかれていますね)こういうことは、きっちっと金額やなんかと送り先もきちっとしなきゃいけない。そういった対応だけでも、人を分けて対応させてもらってますね」
「(Q.こうしている間も電話が鳴りやまないですね)そうですね」

吉田顧問
「要は青汁ですとか、ほかの商品には影響ないのかとか。そこは全く問題ないですよというようなお答えをさせて頂いているんですけど」

 こちらの看板商品である「青汁」には「紅麹」は一切含まれていませんが、心配する利用者からの問い合わせが後を絶たないといいます。

吉田顧問
「たしかに風評被害という部分で、他のものは大丈夫ですよと説明しても、『山本漢方=紅麹』というイメージでとられちゃうと、ちょっとそこは違うんじゃないのかなと思いますけど。まず原因究明を先にやって頂いて、きちんとした説明ができればというふうには思っています」

 厚労省は今週中をめどに、健康被害が確認されていない小林製薬の紅麹を原料としている製品をどうするのか、専門家の意見を聞く方針です。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年3月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp