「なんですか。舶来のウェクーというものがあるそうですね。どんなもんですか。」
青空文庫より『カイロ団長』(宮沢賢治)を朗読しました。
以前『オツベルと象』という作品を読みましたが、今回も労働者と搾取をテーマとしたお話です。
オツベルの時にも少し触れましたが、賢治は労働自体は尊く素晴らしいもの、として描いています。
しかしそれにつけこみ搾取する、重労働を課して虐げる、ということは許さなかったようです。
賢治自身、農業をより良くしようと努め農家に寄り添おうと生きてきたのでそうした労働の辛さ、対価の低さに憤っていたのでしょうか。
物語の終わりには、あまがえるたちは元のように楽しく仕事をし、とのさまがえるも仕立て屋を始める、というふうに皆が楽しく働ける世界を望んでいたのでしょう。
子供の頃に読んだ時は一日の終りにウイスキーを振る舞う場面で「あ、飲ませてはくれるんだ。」と思っていました。
絵本の「悪い王様」のように奴隷をただこき使うのではないから、じゃあ少しはマシなのかな、なんて思ってしまいました。
はい、騙されてますね。
法外な重労働と、僅かな報酬、というものはやはり問題なのです。
#宮沢賢治 #イーハトーブ童話
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