空き家が70年前の100倍? 全国で過去最多の900万戸…なぜ空き家は増えてきた?【サンデーモーニング】|TBS NEWS DIG

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総務省が発表した調査で、全国の空き家が900万戸と過去最多を更新し続けていることが分かりました。放っておけば倒壊の危険性やゴミの投棄、放火など、治安の悪化につながる懸念もあります。なぜここまで空き家は増えてきたのでしょうか? 背景には「日本の家族のあり方の変化」と「少子高齢化」がありました。

■なぜ空き家が増えてきた?

空き家はどのようにして増え続けてきたのでしょうか。典型的な例を見ていきましょう。

例えば、両親と子ども3人の5人家族。子どもが成人してそれぞれ独立すると、両親の2人暮らしになり…やがて2人とも年を重ね、高齢者施設に入ると空き家になるわけです。

そして、両親が亡くなるまでに、この家の相続方法を決めておかなければ、3人の子供が分割して相続することになるのですが、この分割での相続が問題を複雑にします。誰かが住むのか、売るのか、取り壊すのか、意見が一致せず、結論が出ないまま空き家の状態が続くケースが多いのです。

■解体にも税金と費用の壁

そして、なかなか家を取り壊せない理由の一つが、固定資産税の問題です。住宅が建っている土地には固定資産税の優遇措置がありますが、取り壊して更地にしてしまうと優遇措置がなくなるので、空き家をそのままにしておいた場合に比べ、固定資産税が最大およそ6倍に増える可能性があるのです。

さらに、家の解体費用だけでも何百万円もかかることも、空き家が放置される要因となり…そのうち老朽化して倒壊する危険性も出てくるのです。

■空き家に対する法整備も

このため国は、対策として2015年に新しい法律を施行しました。倒壊の危険性がある空き家を「特定空き家」に指定したうえで、改善されない場合、更地と同様に固定資産税の優遇をなくすことにしたのです。行政代執行による解体なども可能です。

さらに2024年、倒壊の恐れがなくても、管理が不十分で部分的な破損などが見られる空き家も「管理不全空き家」に指定し、税の優遇措置から外すことになりました。

つまり、「管理不全」と見なされないよう、持ち主に責任ある対応が求められるわけです。

■背景に「家族の形の変化」と「少子高齢化」

現在、全国にある空き家は900万戸。1953年には9万4千戸でしたので、100倍近くに増えています。

1950年代頃は3世代以上が同居する大家族も一般的でしたが、70年代以降は、核家族が7割を超え、祖父母の家を継いで住み続けることが少なくなってきました。そして、70年代から80年代に新しく家を持った「団塊の世代」が今や高齢者となり、今後さらに空き家が増える可能性があるのです。

■空き家を増やさないためには?

今後、空き家を増やさないためには、どうすればいいのでしょうか。空き家問題に取り組むNPO法人 空家・空地管理センターの伊藤雅一副代表理事は「親が子どもに実家をどう渡すか準備や相談をしていない例が多い。先送りしていいことは何もないので、みんなが元気なうちに今後のことを話しておくことが重要」と話しています。

(「サンデーモーニング」 2024年5月5日放送より)

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