生きるIkiru 黒澤明 -ゴンドラの唄(公園)-

2014/09/07 に公開
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1952年製作 音楽:早坂文雄 歌:志村喬 日本映画最高傑作。
もはや小さい頃の息子ではない。息子の心は遠くに行ってしまった…
階段下に通帳や退職金の受領手続きの書類を息子宛てにして置いてあったと言うシーン。 心に染みました。

僕は時々、ふっと自分が死ぬ場合の事を考える。
するとこれではとても死にきれないと思って、居ても立っても居られなくなる。 もっと生きているうちにしなけれればならない事が沢山ある。 僕はまだ少ししか生きて居ない。 そんな気持ちがして胸が痛くなる。 「生きる」と云う作品は、そう云う僕の実感が土台になっている。 この映画の主人公は、死に直面して、はじめて過去の自分の無意味な生き方に気がつく。 いやこれまで自分がまるで生きていなかった事に気がつくのである。
そして、残された僅かの時間をあわてて、立派に生きようとする。 僕は.この人間の軽薄から生まれた悲劇を、しみじみと描いて見たいのである。  Akira Kurosawa