【小谷城】甦る戦国の巨大山城 浅井長政が織田信長と攻防を繰り広げた城

2024/05/03 に公開
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小谷城は戦国の五大山城の1つに数えられる山城として、また浅井長政と織田信長が攻防を繰り広げた城として広く知られています。
小谷城は、主要部である東尾根の曲輪群と山頂の大嶽、西尾根の山崎丸・福寿丸、東尾根先端の出丸といった、それぞれが独立した曲輪がネットワークを構築して山全体で防御を固めていました。西尾根の福寿丸・山崎丸は方形単郭・腰曲輪を用いた郭で、食い違い虎口を持という共通した特徴を持ち、それぞれが1個の城ともいうべき構造を持っています。東尾根の曲輪群が伝統的な曲輪配置であるのに対して、全くタイプの違う縄張りが混在することが小谷城の特徴です。
 また、小谷城は今までの予想以上に石垣を多用していることも特徴の1つです。山王丸南側の破城の痕跡と東側の大石垣をはじめ、黒鉄門跡や本丸南側の石垣などは特に良く知られていますが、六坊から清水谷を下る途中にある、大野木屋敷にも、3段からなる石垣が残っています。これらの石垣は、後の石垣とは違い、角の算木積みも稚拙で、本格的な石垣ではなく、土留めの役割としての石垣でした。山王丸南側の石を除けば小ぶりな石が多く、間詰石もなく、初現期の石垣の特徴を表しています。
こうした石垣の多様を積極的に評価して、近年では湖北地方で最初に登場した、総石垣の城であるとの評価も出るようになってきています。総石垣の城であったかどうかについては、今後の調査によって明らかとなってくるでしょうが、先駆的な石垣を随所に持つ、石垣を多用した城であったことは間違いないようです。

【参考にした資料・サイト】
滋賀県教育委員会 小谷城をめぐる城々 埋蔵文化財活用ブックレット7(近江の城郭2)
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2042772.pdf
『はじまりは小谷城 築城500年記念連続講座集』
 小谷城戦国歴史資料館編 2024 サンライズ出版
小谷城戦国歴史資料館
https://www.eonet.ne.jp/~odanijou-s/azai.html
【関連動画】
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https://youtu.be/jKiQxb5lae8
坂本城 織田信長が明智光秀に築かせた戦国時代の水城
https://youtu.be/_ENolCxCJaw
苗木城 巨岩の上に聳え立つ戦国時代の山城
https://youtu.be/QCVw4AiHK-c

#小谷城 #戦国五大山城 #浅井長政 #織田信長